【概要】
平城宮東院庭園は、奈良市にある特別名勝です。四季折々の美しい景観が楽しめ、多くの観光客が訪れます。日本の美を象徴する場所の一つです。
【歴史】
平城宮東院庭園は、奈良県奈良市にある平城宮跡の東張り出し部で、その南東隅に位置する奈良時代の宮廷庭園です。『続日本紀』には東院や楊梅宮の名で宴や儀式がたびたび催された記録が残り、称徳天皇がこの地で盛大な宴を開いたことも伝えられています。庭園の遺構は昭和42年(1967年)の発掘調査で発見され、その後の継続的な調査によって全体の姿がしだいに明らかにされていきました。
【特徴】
奈良時代前半には直線的な汀線をもつ池でしたが、後半に大きく改修され、複雑に入り組んだ曲池へと姿を変えました。水際は玉石を敷き詰めた洲浜として丁寧に仕上げられ、池の中央には中島が浮かびます。日本古来の水辺の文化と大陸から伝わった庭園文化とが融合していく過程を示すものとして、造園史のうえできわめて高い価値をもつ庭とされ、独特の意匠と精緻な修復が評価されています。
【見どころ】
長年にわたる発掘の成果に基づいて平成10年(1998年)に復原整備が完了し、隅楼や正殿、池に架かる平橋と反橋などが往時の姿でよみがえりました。庭園は平成21年(2009年)に名勝、翌平成22年(2010年)に特別名勝へ指定されています。周囲に広がる平城宮跡とあわせ、世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産の一部を成しており、古代の宮廷生活の一端を今に伝えています。
【トリビア】
曲水の宴のような遊宴の場であったと考えられており、後世の寝殿造庭園をはじめとする日本庭園の源流に位置づけられています。復原にあたっては出土した石材や植物の遺体の分析が重ねられ、奈良時代当時の植栽の姿まで検討されました。平城宮跡歴史公園の一角にあり、無料で見学できるため、広大な宮跡を歩いたあとに立ち寄る休憩地としても親しまれ、水辺で一息つく人の姿が絶えません。




