【概要】
浜脇温泉は、別府市の南の端で朝見川が別府湾に注ぐ河口一帯に開けた温泉街で、別府温泉発祥の地と呼ばれてきました。浜辺から湯が湧いたことが浜脇という地名の由来とされ、江戸時代には港町と門前町を兼ねてにぎわいました。明治から大正にかけては花街が栄え、いまも路地に昔ながらの旅館や共同湯の面影が残っています。
【歴史】
浜脇温泉は別府八湯のなかでも古く、鎌倉時代の初めに朝見八幡が創立されて門前町が開け、江戸時代には海路と陸路が交わる港町として、また湯治場として急速に発展しました。明治から大正にかけては花街がにぎわい、三味線の音が路地に響いたと伝えられます。1991年には再開発で多目的温泉保養館の湯都ピア浜脇と、普通浴の共同湯である浜脇温泉が建てられました。
【特徴】
浜脇温泉の湯は炭酸水素塩泉や塩化物泉が中心で、無色透明でやわらかく、肌をなめらかに整える湯あたりが持ち味です。朝見川の河口という低い土地に湧くため、山手の明礬や鉄輪のような白い噴煙は立たず、住宅と旅館が肩を寄せ合う街並みのただなかから静かに湯が湧き出します。海沿いを走るJRの駅は、開業時に浜脇駅と名づけられました。
【見どころ】
いまの浜脇温泉の建物の前には、建て替え前の共同湯を記念してアーチ型のモニュメントが残され、湯の町の記憶を伝えています。朝見川に沿って歩けば、格子戸の旅館や石段の細い路地、湯かけ地蔵といった古い温泉町らしい景色が次々に現れます。朝見神社へ続く長い参道と深い社叢は、門前町として始まった浜脇の成り立ちをいまに伝えています。
【トリビア】
浜脇は江戸から明治にかけて南の浜脇と呼ばれ、北の亀川と並んで別府のにぎわいの両翼を担いました。かつては八湯のなかで最も多くの宿が集まった時期もありましたが、鉄道と築港の整備で中心が北へ移り、いまは静かな住宅地へと姿を変えています。湯都ピア浜脇には、温泉を使って体を動かす運動浴の設備も備えられています。




