【概要】
鎌倉時代初期、天台座主であった慈円によって著されました。神武天皇から順徳天皇までの歴史を、「道理」という概念を用いて解釈し、歴史の必然性を説いた日本初の史論書です。
【書物の性格】
鎌倉時代初期(1220年頃)、天台座主であった慈円(じえん)によって書かれた歴史書です。神武天皇から順徳天皇までの歴史を、貴族社会の衰退と武家社会の台頭という現実を踏まえて論じています。単なる事実の羅列ではなく、歴史の底流にある意味を解釈しようとした、日本初の「歴史哲学書」とも評されます。
【道理の思想】
歴史の変遷を「道理(どうり)」という独自の概念を用いて説明しようとした点が画期的です。末法思想を背景に、「武者の世」になるのは歴史の必然(道理)であると説き、承久の乱を計画していた後鳥羽上皇に対し、時勢に逆らう無謀な挙兵を諌める意図があったとされています。現実主義的な視点が光ります。
【タイトルの意味】
「愚管(ぐかん)」とは、「愚かな管(くだ)の穴から天を覗くような狭い見識」という謙遜の意味が込められています。しかしその内容は鋭く、当時の政治情勢や人物評が生き生きと描かれており、第一級の歴史資料としても極めて価値が高いです。文体は漢文体ではなく、和文体(仮名交じり文)で書かれています。
📅 最終更新: 2026/1/3




