【概要】
東京都江戸川区は、明治時代から続く伝統ある金魚の産地。「江戸川琉金」や「江戸川キャリコ」など、良質な高級金魚のブランドとして知られる。都市化により養殖業者は減少したが、夏の「金魚まつり」は大勢の人で賑わう。
【歴史】
江戸川金魚の歴史は、明治三十年代に都心部の生産者が平井や小松川へ移ってきたことに始まります。大正十二年(1923年)の関東大震災のあと、需要の高まりと砂町方面の工業化が重なったこともあって、地価が安く水の豊かなこの地へ養殖の中心が本格的に移りました。昭和十五年には五千万尾ほどを生産し、海外にも輸出される一大産地へと成長して、大和郡山や弥富と肩を並べる存在になりました。
【特徴】
東京都江戸川区にあり、荒川と江戸川に挟まれた低地は、養殖に欠かせない水に恵まれた土地でした。江戸川金魚は琉金やランチュウ、キャリコ、東錦といった品種を得意とし、稚魚のうちから何度も選別を重ねることで、観賞価値の高い魚だけを送り出してきました。戦後の都市化で池は次々に姿を消し、養魚場の数は大きく減りましたが、今も数軒が残って昔ながらの選別と飼育の技を受け継いでいます。
【見どころ】
見どころは、毎年七月に行船公園で開かれる「江戸川区特産金魚まつり」です。昭和四十七年に始まった催しで、品評会や展示即売、金魚すくいなどが並び、区内外の家族連れから熱心な愛好家まで大勢の人が訪れます。公園内には無料で入れる金魚展示場もあり、祭りの時期以外でもさまざまな品種をゆっくり眺められます。都心から電車で気軽に足を運べる産地であることが、なによりの魅力といえます。
【トリビア】
江戸川金魚が得意とする東錦は、昭和の初めに横浜の金魚商・加藤金蔵がオランダシシガシラと三色出目金を掛け合わせて作り出した品種で、東京の金魚商・高橋鉄次郎が関東生まれであることにちなんで名づけたと伝えられます。透けた鱗に赤と黒が散る姿は今も人気です。江戸川区は大和郡山や弥富と肩を並べる生産量を誇ったことから、日本三大金魚産地の一つに数えられるようになりました。




