【概要】
越前和紙は福井県越前市で漉かれる和紙で、約1500年前の「川上御前」の伝説に始まり、江戸時代には「越前奉書」として最高級の評価を確立しました。楮・三椏・雁皮を使い分けて多彩な紙を漉く技術の幅広さが特徴で、1868年に新政府が発行した日本初の全国通用紙幣「太政官札」の用紙にも採用されました。越前和紙の里では紙漉き体験もできます。
【歴史】
越前和紙の歴史は約1500年前の「川上御前」の伝説に始まるとされ、古くから公家や武士の公文書や仏教の経典の用紙として重宝されてきました。室町時代以降は幕府や領主の厚い保護を受け、全国的なブランドとしてその名を知られるようになりました。江戸時代には「越前奉書」として最高級の評価を確立し、現在でも国内トップクラスの生産量と非常に高い品質を誇り続けています。
【特徴】
「越前生漉奉書(えちぜんきずきほうしょ)」などに代表されるように、非常に美しく強靭でありながら、しなやかで温かみのある質感が特徴です。楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの原料を巧みに使い分け、多様な種類とそれぞれの用途に合わせた多彩な紙を漉き上げる技術の幅広さと奥深さが、他の産地にはない最大の魅力となっています。
【見どころ】
福井県越前市の「越前和紙の里」周辺では、伝統的な紙漉きの工程を間近で見学できる工房が立ち並び、パピルス館では誰でも本格的な紙漉き体験を楽しめます。また、全国でも珍しい紙の神様「川上御前」を祀る岡太(おかもと)神社・大瀧神社も見どころの一つであり、幾重にも波打つような複雑な屋根の構造を持つ美しい社殿は圧巻の迫力です。
【トリビア】
越前和紙は、日本最初の藩札とされる福井藩札に用いられ、明治元年(1868年)に新政府が発行した日本初の全国通用紙幣「太政官札」の用紙にも採用されました。現在でも全国の賞状や卒業証書、美術紙として圧倒的なシェアを誇っています。また、レンブラントが版画に用いた東洋の紙は越前和紙が有力な候補と考えられており、ピカソも越前奉書を取り寄せたと伝えられています。
