【概要】
愛媛県松山市にある道後温泉は、約3000年の歴史を持つと言われる日本最古の温泉の一つです。聖徳太子の来浴伝説も残っています。国の重要文化財である「道後温泉本館」は、明治時代の面影を色濃く残す木造建築で、多くの文学作品の舞台にもなりました。
【歴史】
道後温泉は愛媛県松山市にある日本最古級の温泉で、三千年の歴史を持つと語り継がれてきました。『日本書紀』や『万葉集』にも登場し、聖徳太子や歴代の天皇が訪れたという記録が残っています。夏目漱石が『坊っちゃん』に描いた温泉としても知られ、舞台となった道後温泉本館は1894年(明治27年)完成の国の重要文化財です。本館は2019年から保存修理工事が進められ、2024年7月に全館での営業を再開しました。
【特徴】
道後温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、肌あたりがやわらかく「美人の湯」として親しまれています。源泉の温度はおよそ20度から55度と幅があり、無色透明で刺激が少ないため、子どもから年配の方まで安心して入浴できます。道後温泉本館は木造三層楼の重厚な建築で、「神の湯」と「霊の湯」という二つの浴室を備え、屋根の上にそびえる振鷺閣では今も一日三回、刻太鼓が打ち鳴らされます。
【見どころ】
保存修理を終えた道後温泉本館は、創建当時の色鮮やかな姿によみがえりました。2017年に開業した「飛鳥乃湯泉」は、聖徳太子の来浴伝説を意匠に取り入れた飛鳥時代風の外湯で、愛媛の伝統工芸を用いた個室も備えています。商店街の道後ハイカラ通りでは食べ歩きを楽しめ、松山市街と道後を結ぶレトロな坊っちゃん列車に揺られてみるのも旅の醍醐味といえるでしょう。
【トリビア】
道後温泉には、傷ついた白鷺が岩間に湧く湯に脚を浸して癒やしたことが発見のきっかけになったという「白鷺伝説」が伝わります。夏目漱石は松山中学の英語教師だった時代にこの湯へ足しげく通い、その体験がのちの『坊っちゃん』に生かされました。温泉街には坊っちゃん団子や一六タルトといった松山銘菓の店が並び、湯上がりの甘味を求める人でにぎわっています。
