【概要】
秩父神社の例大祭で、300年以上の歴史があります。冬の夜空に打ち上がる花火と、極彩色の彫刻で飾られた屋台・笠鉾(かさぼこ)の競演が見どころです。重さ20トンもの屋台が急坂「団子坂」を駆け上がるクライマックスは、見る者を圧倒する迫力があります。
【歴史】
秩父夜祭は、埼玉県秩父市の秩父神社の例大祭で、旧暦11月3日に行われたことから「霜月大祭」と呼ばれ、明治初期に新暦の12月3日へ移されました。祭礼と同時に立った絹の大市には遠方から商人が集まり、養蚕と絹織で栄えた土地柄から「お蚕祭り」とも呼ばれます。笠鉾や屋台が付け祭りとして曳かれ始めたのは寛文年間(1661年から1673年)とも伝わり、300年以上の歴史を持つ祭りとして受け継がれてきました。
【特徴】
秩父夜祭では、中近と下郷の笠鉾2基、宮地・上町・中町・本町の屋台4基の計6基が曳き回されます。高さ約5メートルから7メートル、重さは最大20トンに及び、極彩色の彫刻と金具、幕で飾られた姿は動く陽明門とも称され、昭和37年(1962年)に国の重要有形民俗文化財に指定されました。昭和54年には屋台行事と神楽が重要無形民俗文化財となり、平成28年(2016年)にはユネスコ無形文化遺産に登録されています。
【楽しみ方】
秩父夜祭の最高潮は12月3日夜、御旅所へ向かう急坂の団子坂で、秩父屋台囃子の激しい太鼓に合わせて曳き手が屋台と笠鉾を一気に引き上げる場面です。冬の澄んだ夜空には尺玉やスターマインの花火が打ち上げられ、地上の屋台と競演します。昼間は屋台を舞台に転用した屋台芝居や、子どもたちが屋台の上で舞う曳き踊りも披露され、街全体が一日中華やぎます。宵宮の12月2日から訪れると、より深く楽しめます。
【トリビア】
秩父夜祭には、秩父神社の女神妙見菩薩と武甲山に鎮まる男神の龍神が年に一度逢瀬を重ねるという伝説があり、冬の七夕とも呼ばれます。御旅所には妙見を表す亀の子石が置かれ、12月2日の番場町諏訪渡りでは、諏訪神社の神に逢瀬の許しを求める神事が行われます。屋台囃子では方向転換の際に「玉入れ」という特別な演奏が入り、令和5年には下郷笠鉾が車輪の不具合で団子坂の曳き上げを断念する記録上初の出来事もありました。




