伴大納言絵詞

(ばんだいなごんえことば)
📍 東京都 千代田区🎭 文化🏯 歴史

【概要】

伴大納言絵詞は、貞観8年(866年)の応天門の変を題材に平安時代末期に描かれた3巻の絵巻で、東京都千代田区にある出光美術館が所蔵する国宝です。放火の罪を着せられた左大臣源信と、真犯人とされた大納言伴善男の顛末を、燃えさかる炎と群衆の表情で描き切っています。伴大納言絵巻とも呼ばれますが、美術館は建て替えのため長期休館中です。

【歴史】

題材となった応天門の変は貞観8年(866年)に起きた事件で、大納言伴善男が左大臣源信を放火の犯人として訴えたものの、やがて自らが罪に問われ伊豆へ流されました。伴大納言絵詞はそれから約300年後の平安時代末期、後白河法皇の周辺で作られたとされ、宮廷の絵師常盤光長の筆と伝えられますが確証はありません。画面は詞書と絵が交互に続く構成をとっています。

【特徴】

上中下の3巻はいずれも縦31.5センチほどで、長さは1巻あたり約9メートルに及びます。応天門が炎に包まれる場面では、押し寄せる群衆の一人ひとりについて顔つきや身ぶりが描き分けられ、平安絵巻でも屈指の群像表現とされます。事件の発覚につながる子どもの喧嘩の場面には異時同図法が使われ、炎の描写も勢いのある筆で表されています。

【見どころ】

この絵巻は江戸時代を通じて若狭小浜藩主の酒井家に伝えられ、1982年に出光美術館へ譲られました。東京都千代田区にある同館は入居する帝劇ビルの建て替えに伴い2024年末から長期休館に入っており、再開は2030年頃と見込まれています。原本を目にする機会は再開後の特別展を待つことになります。所蔵先が寺社ではなく企業の美術館である点も、四大絵巻の中では異色です。

【トリビア】

作品名は伴大納言絵巻とも呼ばれ、どちらの表記も広く使われています。詞書の筋立ては日本三代実録などの記録と細部が食い違っており、当時語り継がれていた説話を下敷きにしたと考えられています。酒井家から譲渡された際の対価は30億円を超えたと伝えられ、美術品の取引としても大きな話題になりました。現在は高精細の複製も作られ、細部まで観察できるようになっています。

📅 最終更新: 2026/9/8
伴大納言絵詞
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です