日本四大絵巻は、平安時代後期から鎌倉時代初期に描かれた絵巻物のうち、源氏物語絵巻・信貴山縁起絵巻・伴大納言絵詞・鳥獣人物戯画の4作品を指す呼び名で、四大絵巻物とも呼ばれます。いずれも国宝で、絵と詞書を横へ長くつなぎ、時間の流れとともに物語を語る日本独自の表現が高い完成度に達した作例とされます。現在は徳川美術館、朝護孫子寺、出光美術館、高山寺がそれぞれ伝えていますが、原本の公開は特別展などの限られた機会だけです。
A.源氏物語絵巻は徳川美術館と五島美術館に分かれて伝わり、信貴山縁起絵巻は奈良県平群町の朝護孫子寺、伴大納言絵詞は東京都千代田区の出光美術館、鳥獣人物戯画は京都市右京区の高山寺に伝わります。信貴山縁起絵巻と鳥獣人物戯画の原本は国立博物館に寄託されています。
A.いつでも見られるわけではなく、原本の公開は特別展などの限られた機会だけです。源氏物語絵巻は光や湿度に弱く、限られた期間に数面ずつ公開されるのが基本です。信貴山縁起絵巻は朝護孫子寺の霊宝館で、鳥獣人物戯画は高山寺の石水院で、それぞれ複製を見ることができます。
A.源氏物語絵巻は紫式部の物語を、信貴山縁起絵巻は朝護孫子寺にこもった命蓮上人をめぐる霊験譚を描いています。伴大納言絵詞は貞観8年(866年)の応天門の変が題材です。鳥獣人物戯画は兎や蛙、猿が遊ぶ甲巻が名高く、巻ごとに主題が異なります。
A.色の使い方と詞書の有無が大きく異なります。源氏物語絵巻は顔料を厚く塗り重ねる作り絵で彩色され、吹抜屋台や引目鉤鼻の手法で描かれています。一方、鳥獣人物戯画の4巻はいずれも彩色を用いない紙本墨画で、詞書がまったくなく、絵だけで場面が展開します。
A.信貴山縁起絵巻と鳥獣人物戯画が漫画の源流として語られます。信貴山縁起絵巻は米倉が空へ舞い上がる場面で人々の身ぶりや表情が生き生きと描き分けられています。鳥獣人物戯画は兎と蛙が取っ組み合う場面などで知られ、吹き出しはなく、動きの連なりだけで笑いを生んでいます。