【概要】
粟津温泉は、加賀温泉郷の四湯でただ一つ小松市側にある温泉地で、養老2年(718年)に泰澄が開いたと伝わります。湯守を任された家が旅館「法師」として続き、世界で最も古い宿として記録に挙げられた時期もありました。湯女の恋を語るおっしょべの伝説と、それにちなんだ民謡や夏祭りが受け継がれてきた静かな温泉街です。
【歴史】
粟津温泉は、石川県小松市にある温泉で、養老2年(718年)に白山を開いた泰澄が湧き湯を見つけたと伝わります。泰澄は湯を末永く人々のために役立てるよう告げ、地元の木こりの子であった雅亮法師に湯守を任せたとされ、その家が旅館「法師」として今日まで続いてきました。加賀温泉郷の四湯のなかでは最も古い開湯伝承を持つ湯にあたります。
【特徴】
粟津温泉の泉質は硫酸塩泉で、かつては芒硝泉と呼ばれていました。肌がなめらかになる湯として親しまれ、それぞれの宿が自家の源泉を持つ温泉地として紹介されています。四つの湯のなかでは最も内陸にある落ち着いた温泉街で、2008年には共同浴場の総湯が設けられ、宿の湯とあわせて歩いて訪ね歩けるようになりました。
【見どころ】
温泉街の中ほどにはおっしょべ公園があり、湯女と若者の身分を越えた恋を語り伝える物語にちなんだ像が置かれています。おっしょべとは宿で働いていた下女「お末」の名がなまったものと伝えられ、その名を冠した民謡おっしょべ節と、毎年夏に開かれるおっしょべ祭りが粟津温泉の風物になっています。近年は恋人の聖地にも選ばれました。
【トリビア】
粟津温泉の旅館「法師」は、開湯と同じ養老2年の創業を伝える宿として知られ、世界で最も古い旅館としてギネス世界記録に登録されていた時期があります。2011年にはより古い創業を掲げる山梨県の旅館がその座を引き継いだと伝えられており、記録の扱いは移り変わってきました。それでも千三百年を数える歩みは変わりません。




