荒子観音

(あらこかんのん)
📍 愛知県 名古屋市中川区⛰️ 名所🏯 歴史

【概要】

荒子観音は、愛知県名古屋市中川区にある天台宗の寺院で、正式には浄海山圓龍院観音寺と号します。寺伝では天平元年(729年)に泰澄が草創したと伝えられ、荒子に生まれた前田利家が本堂を再建した菩提寺でもあります。千二百体を超える円空仏と、名古屋市に現存する最古の建造物とされる多宝塔で広く知られ、尾張四観音では名古屋城の西南西にあたります。

【歴史】

寺伝では天平元年(729年)に白山を開いた泰澄が草創し、天平13年(741年)に弟子の自性が堂宇を整えたのが荒子観音の始まりとされます。中世には荒子城主であった前田家の菩提寺となり、天正4年(1576年)には荒子に生まれた前田利家が本堂を再建し、あわせて自身の甲冑を納めたと伝えられています。荒子観音という通称は、この一帯の地名である荒子に由来しています。

【特徴】

荒子観音を全国に知らしめているのは円空仏の数です。江戸前期の遊行僧である円空は延宝4年(1676年)の前後にこの寺に滞在して多くの像を刻みました。平成26年(2014年)の調査では境内に1255体が確認され、全国で現存が知られる円空仏のおよそ四分の一以上がここに集まっていることになります。円空は寺の十世であった円盛上人と親しく、たびたび足を運んでいました。

【見どころ】

天文5年(1536年)に再建された多宝塔は名古屋市内に現存する最古の建造物とされ、国の重要文化財に指定されています。室町時代後期らしい細部をもつこの塔は、熱田の大工が手がけたと伝えられます。山門に立つ二体の仁王像は高さ三メートルを超える円空の作で、最大の円空仏としても知られています。その山門も名古屋市の都市景観重要建造物に指定されています。

【トリビア】

荒子観音の円空仏は、原則として毎月第二土曜日の午後に公開されており、これほどの数をまとめて間近に見られる場は全国でも例がありません。名古屋城から見て西南西にあたるため、恵方がその方角となる年の節分会はとくに賑わいます。公開日や行事の日程は変わることがあるので、事前に確かめておくのが確実です。本尊の聖観音は三十三年ごとに開扉される秘仏とされています。

📅 最終更新: 2026/9/13
荒子観音
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です