【概要】
青森ヒバは、ヒノキ科のアスナロの変種で、青森県下北半島や津軽半島を中心に分布する。殺菌作用のあるヒノキチオールを含み、耐久性、耐水性に優れる。日本三大美林の一つとして、美しい天然林を形成している。
【歴史】
青森ヒバはヒノキ科のヒノキアスナロを指す呼び名で、下北半島と津軽半島を中心に広がる天然林は、秋田スギや木曽ヒノキと並んで日本三大美林に数えられています。腐りにくく水に強い材質は古くから重んじられ、1124年に上棟された中尊寺金色堂は、土台や柱をはじめとする構造材のほとんどが青森ヒバでつくられていることで知られています。江戸時代には各藩がヒバ山を厳しく管理し、貴重な用材として守り伝えました。
【特徴】
ヒノキアスナロは北海道の渡島半島から栃木県の日光付近まで分布していますが、その蓄積の85パーセント以上が青森県に集中しています。県内の森林の約8パーセント、面積にしておよそ5万ヘクタールが青森ヒバを主体とした天然林です。木肌は淡い黄色で独特の甘い香りを放ち、湿気やシロアリに強く腐りにくい点が最大の持ち味です。成長がきわめて遅く、用材になるまでに二百年ほどかかるともいわれます。
【見どころ】
青森ヒバの森を実際に歩くなら、青森県むつ市にある奥薬研が代表的な散策地として知られています。ヒバやブナに包まれた渓流沿いには遊歩道が整えられ、かつて木材を運んだ森林鉄道の軌道跡や隧道跡が残り、一時間ほどの道のりを楽しめます。ヒバの香りに包まれる森林浴のあとは、薬研温泉や奥薬研の露天風呂で汗を流すのが定番の過ごし方で、新緑と紅葉の時期はとくに多くの人が訪れます。
【トリビア】
青森ヒバの独特な香りのもとになっているのは、ヒノキチオールという成分です。強い抗菌作用と防虫作用を持つことで知られ、まな板や浴槽、住宅の土台材のほか、抽出したヒバ油も虫よけや消臭に使われています。東通村の海沿いには、飛砂に埋もれて立ち枯れたヒバが並ぶ猿ヶ森ヒバ埋没林があり、かつて下北半島を覆っていた大森林の名残を今に伝えており、不思議な景観が広がります。




