天香久山

(あまのかぐやま)
📍 奈良県 橿原市🌿 自然🏯 歴史

【概要】

天香久山は標高152.4メートル、大和三山のうち唯一「天」を冠して呼ばれる山です。天から降ってきた山という伝承を持ち、日本書紀では神武天皇がこの山の土で祭器を作って天下を平定したと語られます。舒明天皇の国見の歌や持統天皇の歌に詠まれた歌の山でもあり、頂からは藤原京の跡が広がる平野を一望できます。

【歴史】

伊予国風土記には、天から落ちてきた山が二つに分かれ、一方は伊予国の天山になり、もう一方が大和国の天加具山になったという伝承が記されています。この降臨の物語があるために、三山のうちこの山だけが天を冠して呼ばれてきました。日本書紀では、神武天皇が夢の教えに従ってこの山の埴土で平瓮を作り、神々を祀って天下を平定したと語られます。

【特徴】

天香久山は奈良県橿原市にある標高152.4メートルの山で、畝傍山や耳成山のように平野に孤立した丘ではなく、多武峰から北西に延びる尾根の先が侵食で切り離されて残った部分にあたります。そのため竜門山地の端という性格を持ち、三山のなかでは南東側の山地とつながる位置にあるという点が、地形の上での大きな特徴になっています。

【見どころ】

南浦町の登り口から頂上までは十五分から二十分ほどの短い登りで、頂には國常立神を祀る小さな國常立神社がまつられています。北の麓には櫛真智命を祭神とする天香山神社、南の麓には天照大神の岩戸隠れの伝承地とされる天岩戸神社が鎮まり、あわせて歩くと神話の気配が濃く感じられます。頂から西に開ける藤原京跡の眺めも見逃せません。

【トリビア】

天香久山は万葉集のなかで十三首に登場し、三山でいちばん多く詠まれた山です。舒明天皇が「大和には群山あれど」と歌い出す国見の歌や、百人一首でも知られる持統天皇の「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」がよく知られています。表記も一通りではなく、国土地理院の地図は天香久山、国の名勝の指定名称は香具山、地元の地区名は香久山と書き分けられています。

📅 最終更新: 2026/9/12
天香久山
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です