【概要】
秋田スギは、秋田県の米代川流域に広がる天然スギの美林。樹齢200年を超える巨木が林立し、木目が美しく強度が強い高級木材として知られる。豊臣秀吉の時代から直轄林として保護され、現在も厳重に管理されている。
【歴史】
秋田スギは米代川の流域を中心に育つ天然スギで、青森ヒバや木曽ヒノキと並ぶ日本三大美林の一つに数えられています。江戸時代には秋田藩が御直山と呼ばれる藩営の山を設けて伐採を厳しく管理し、切り出された木は米代川を下って能代へ運ばれ、北前船で京や大坂まで送られました。明治以降は台風による風倒木の利用が中心となり、秋田スギの天然林の姿はよく保たれてきました。
【特徴】
天然の秋田スギは、雪深い環境でゆっくりと育つため年輪が細かくそろい、まっすぐに通った柾目の美しさで知られています。淡い紅色をおびた木肌とやわらかな芳香、加工のしやすさから高級建築材として珍重され、天井板や欄間などに用いられてきました。大館の曲げわっぱをはじめ、桶や樽といった暮らしの道具の材料としても欠かせず、秋田の伝統産業を長く支えてきた存在です。
【見どころ】
天然秋田スギの迫力を体感できるのが、秋田県能代市にある仁鮒水沢スギ植物群落保護林です。約18ヘクタールの林に樹齢180年から300年ほどの巨木がおよそ3000本立ち並び、遊歩道から見上げることができます。なかでも「きみまち杉」は高さ58メートル、幹の直径164センチに達し、天然秋田スギとして日本一の高さを誇る巨木で、見上げると首が痛くなるほどの迫力があります。
【トリビア】
資源を守るという観点から、国有林における天然秋田スギの計画的な供給は2012年度をもって終了しました。現在市場に出るのは風倒木や工事にともなって伐られた木に限られ、天然秋田スギはいっそう希少な木材となっています。代わりに、樹齢を重ねた人工林の伐期を100年から150年へ延ばして良質な材を育てる取り組みが進められ、天然秋田スギに代わる資源の確保がめざされています。




