【概要】
福島県会津美里町にある伊佐須美神社の御神木で、会津五桜の一つに数えられる桜です。「会津薄墨」という独自の品種で、薄い墨を刷いたような白色で咲きはじめ、日がたつにつれて中心から淡い紅色へ変わっていきます。一枝の中に八重と一重が混じるのも珍しく、香りの高い花として知られ、例年四月下旬には花祝祭が営まれます。
【歴史】
福島県会津美里町にある伊佐須美神社の境内に立つ薄墨桜は、神社が現在の地に遷ったころからの御神木と伝えられています。会津の総鎮守として古くから信仰を集めてきた社にふさわしい銘木で、会津五桜の一つに数えられてきました。町の天然記念物と福島県の緑の文化財に指定され、氏子や地元の人々の手で長く守られています。
【特徴】
花は「会津薄墨」という独自の品種として知られ、ほかに似たものがない珍しい桜です。薄い墨を刷いたような白色で咲きはじめ、日がたつにつれて中心から淡い紅色に染まっていきます。一枝の中に八重と一重が入り混じり、早咲きと遅咲きもそろわないため、同じ木の中で花のかたちも色も少しずつ違って見えるのが薄墨桜の面白さです。
【見どころ】
花には強い香りがあり、木の近くに立つと甘い匂いが漂うといわれます。見頃は例年四月中旬から下旬ごろですが、その年の気候によって前後します。境内では例年四月下旬に花祝祭が行われ、薄墨桜の花びらを入れた餅がふるまわれます。あやめ苑を併せ持つ広い境内は、桜が終わったあとも季節ごとの花で彩られ、長く目を楽しませてくれます。
【トリビア】
推定樹齢は約百年から百二十年とされ、伝承の古さに比べると木そのものは会津五桜の中で若い部類です。伊佐須美神社では二〇〇八年に本殿などを火災で失っており、境内の様子は往時と変わっています。桜も年ごとに樹勢が移ろうため、古い写真や記事にある姿がそのまま今も見られるとは限らない点は心にとめておきたいところです。




