【概要】
中国山地の三国山に源を発し、岡山県の東部を南へ流れて児島湾に注ぐ一級河川です。流路延長はおよそ133キロメートル、流域面積は約2100平方キロメートルにおよびます。古くから美作と備前を結ぶ道として高瀬舟が行き交い、川沿いには津山や和気といった川湊の町が育ちました。今も鮎釣りの川として親しまれています。
【歴史】
吉井川は、中国山地の三国山に源を発して岡山県の東部を南へ流れ、児島湾へ注ぐ一級河川です。古代から美作と備前を結ぶ道として開け、川沿いには早くから人の営みが根づきました。近世には高瀬舟が盛んに行き交い、津山までさかのぼる舟運の道として塩や鉄、米を運び、流域の町々を結びつける大動脈となりました。川沿いには荷を積み替える川湊や船頭の集落が点々と生まれています。
【特徴】
流路延長はおよそ133キロメートル、流域面積は約2100平方キロメートルで、岡山三大河川の東の一本を担っています。上流で吉野川や加茂川を、中流で金剛川などの支流を合わせ、支流を含めた総延長は七百キロメートルを超えます。流域の七割ほどを山林が占めており、澄んだ水は鮎釣りの川としても知られ、初夏には多くの釣り人が竿を並べます。
【見どころ】
岡山県和気町にある吉井川の河原には広い河川公園が開け、桜並木や運動広場が整えられて、川面を間近に眺めながら歩けます。毎年夏には対岸の山に「和」の字を灯す和文字焼きまつりが開かれ、花火が吉井川の水面を照らします。和気町は和気清麻呂を生んだ地でもあり、吉井川の川辺を歩けば、土地に積み重なった長い歴史にも自然と触れることができます。
【トリビア】
江戸時代には、岡山藩の津田永忠が吉井川と旭川を結ぶ倉安川を開き、水運と灌漑の役目を一度に担わせました。京都の高瀬川を開いた角倉了以が、吉井川の高瀬舟を手本にしたという言い伝えも残っています。長く続いた舟運は昭和初期に片上鉄道が通ったことで役目を終え、吉井川は治水と農業用水を担う川へと姿を変えていきました。今も流域には当時の船着き場の跡が残っています。




