【概要】
宮城県塩竈市にある鹽竈神社の末社「御釜神社(おかまじんじゃ)」に安置されている4つの鉄製の古い鍋(竈)です。「塩竈」という地名の由来にもなった重要な神器であり、古くからその水の色が変わると国家の吉凶(災害など)の前触れであるという不思議な伝説が残っています。
【歴史】
宮城県塩竈市にある御釜神社に納められた4口の鉄の釜が、日本三奇に数えられる四口の神竈です。鹽土老翁神(しおつちおぢのかみ)という神様が、人々に海水を煮詰めて塩を作る方法を教えた際に使われたものと伝えられています。御釜神社は鹽竈神社の境外末社にあたり、中世から江戸時代にかけて伊達政宗ら歴代仙台藩主からも手厚い保護を受けていました。
【特徴】
現在残っている4口の神竈はそれぞれ大きさや形状が異なり、直径が1メートルを超える古風で重厚な造りをしています。最大の謎であり特徴なのが、この釜に張られた水は「日照りが続いても枯れることがなく、逆に大雨が降っても溢れることがない」、さらに「世の中に異変が起きる前には水の色が変化する」という言い伝えです。
【見どころ】
神竈は社殿の脇にある透塀の中に安置されており、社務所に申し出て初穂料を納めれば、御神体そのものである4口の釜を間近に拝観することができます。毎年7月4日から6日にかけて行われる「藻塩焼神事」では、古来の製法そのままに海藻のホンダワラと海水を使って塩を焼き上げる儀式が営まれ、神話の時代の空気を感じることができます。
【トリビア】
「水の色が変わって吉凶を知らせた」という伝説は単なる神話ではなく、寛永13年(1636年)以降の記録には、変色があるたびに別当の法蓮寺から仙台藩へ届け出た慣行が残されています。また、松尾芭蕉も元禄2年(1689年)の『おくのほそ道』の旅の途中でこの釜を見物しており、古くから旅人の関心を集めてきたことが分かります。
