【概要】
長野県長野市、善光寺の門前で江戸時代から続く老舗です。アイコニックな赤いブリキ缶で全国的に有名です。辛味と香りのバランスが絶妙で、特に信州特産の紫蘇(しそ)や生姜(しょうが)などが配合されることもあり、そば文化と共に発展してきた歴史を持ちます。
【歴史】
八幡屋礒五郎(やわたやいそごろう)は1736年(元文元年)、初代の勘右衛門が長野市の善光寺の境内で七味唐辛子を売り出したことに始まります。善光寺参りの土産として全国から訪れる参拝客の手で各地に運ばれ、信州の名産として名を広めました。トレードマークである赤と金のブリキ缶は1924年(大正13年)に考案されたもので、百年を経た今もほとんど変わらない意匠で親しまれています。
【特徴】
信州の七味は辛味と香りの調和が身上です。唐辛子に山椒、麻種、紫蘇、陳皮、胡麻を合わせ、さらに生姜を加えるのが八幡屋礒五郎の大きな特徴になっています。生姜が入ることで体の芯から温まる味わいになり、雪深い信州の風土に寄り添う配合といえるでしょう。全体としては後味がすっきりとしていて、素材それぞれの香りが順に立ちのぼってくる仕立てになっています。
【食べ方】
戸隠そばをはじめとする信州そばや、味噌汁、豚汁との相性は文句なしです。本店ではカレーに合わせた配合やラーメン向けの配合など、現代の食卓に寄り添うさまざまなブレンドが並び、好みの材料を選んで自分だけの一缶を作ってもらうこともできます。唐辛子を使ったチョコレートやジェラートといった菓子も手がけており、辛味の新しい可能性を教えてくれます。
【トリビア】
赤と金のブリキ缶には善光寺の本堂と唐辛子が描かれ、缶のふたを回して振り出す仕組みも長く受け継がれてきました。毎年意匠を変える限定缶やご当地限定の缶も数多く、集めて楽しむ愛好家がいるほどです。本店に併設されたカフェでは七味を効かせたカレーやソフトクリームを味わえ、善光寺参りの休憩場所としても重宝されています。
