【概要】
東京都台東区浅草、浅草寺の門前で寛永2年(1625年)から続く老舗。七味唐辛子の元祖と言われる。漢方薬をヒントに考案され、「焼唐辛子」と「生唐辛子」の2種類を配合することで、香ばしさと辛味の奥深い味わいを生み出しているのが特徴。
【歴史】
やげん堀は1625年(寛永2年)、三代将軍徳川家光の時代に、からしや徳右衛門が江戸の両国薬研堀で創業したと伝えられています。薬研堀は現在の東日本橋のあたりで、店名はこの地名に由来します。漢方薬の調合をヒントに七種の材料を配合した唐辛子を売り出したところ評判を呼び、寺社の門前で参詣客の人気を集めました。現在は東京都台東区の浅草に本店を構え、四百年近い味を伝えています。
【特徴】
江戸の七味は辛味と風味の均衡が重んじられ、口に含んだ瞬間にぴりりと来る切れ味が身上です。やげん堀では焼いた唐辛子と生の唐辛子という二種類の唐辛子に、粉山椒、黒胡麻、陳皮、けしの実、麻の実を合わせて仕上げます。特に火を通した焼き唐辛子が香ばしさを引き立て、辛さのなかにも深い旨みが感じられる味わいに仕上がっているのが特徴です。
【食べ方】
蕎麦やうどんに振りかけるのはもちろん、江戸っ子好みの濃い味付けの煮物や、味噌汁、牛丼などにもよく合います。店頭では大辛から小辛まで、好みに応じてその場で材料の割合を変えて調合してくれる実演販売が名物になっています。目の前で計り分けられていく様子を眺めながら、自分だけのブレンドを注文できるのは老舗ならではの楽しみといえるでしょう。
【トリビア】
七味唐辛子という呼び名は上方で広まったもので、江戸では長らく「七色唐辛子(なないろとうがらし)」と呼ばれていました。やげん堀では今もこの江戸の呼び名を大切にしています。容器には湿気を防ぐ竹筒や瓢箪をかたどったものが用意され、中身を詰め替えながら長く使えるのも魅力です。軽くてかさばらないため、浅草みやげとしても親しまれています。




