【概要】
栃木県日光市の荒沢川にかかる落差約45メートルの幽玄な滝です。江戸時代には芭蕉も訪れ、「暫時は滝に籠るや外の初夏の初め」の句を詠んだ歴史を持ち、かつては岩穴の滝の裏側から鑑賞できました。
【歴史】
栃木県日光市を流れる荒沢川にかかる裏見の滝は、古くから勝道上人が修行を開いた由緒ある滝として伝えられています。元禄2年(1689年)、俳聖・松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の途中で日光を訪れ、「暫時は滝に籠るや外の初夏の初め(しばらくの間、滝の裏側に籠って暑さを忘れると、外の世界はちょうど初夏の素晴らしい始まりであった)」という有名な名句を詠んだ歴史を誇ります。
【特徴】
落差約45メートルの崖から落下する神秘的な滝であり、かつては滝が流れ落ちるオーバーハングした巨大な岩盤の裏側に人一人が通れる自然の洞窟(岩穴)の歩道があり、まさに文字通り「滝を裏側から見ることができた」のが最大の特徴です。現在は上流の岩盤崩落の危険があるため裏側の歩道は立ち入り禁止ですが、現在も真正面の観瀑台からその幽玄な姿を堪能できます。
【見どころ】
駐車場から深い緑と静寂に包まれた大自然の遊歩道を約15分ほど進むと、苔むした巨大な岩壁と深い樹木に囲まれた神秘的な滝が眼前に現れます。華厳の滝や霧降の滝のような開放的な大パノラマとは対照的に、まるで深い秘密の秘境の隠れ家に迷い込んだかのような、厳かで心が洗われるヒーリング効果抜群の静かな空間と水しぶきを肌で感じることができます。
【トリビア】
かつて人々が滝の裏側の洞窟を通り抜けていた時代、滝の裏側の岩壁には「不動明王」の石像が密かに安置されており、修行僧たちは滝の裏側で不動明王に祈りを捧げながら滝行を行っていたと言い伝えられています。現在の観瀑台からも、目を凝らしてよく観察すると、激しい水しぶきの向こう側の暗い岩肌に祀られている神聖な仏像の確かな存在を感じ取ることができます。




