【概要】
千葉県印西市にある伝説の古井戸。平安時代の歌人・西行法師がこの地を訪れた際、井戸の水面に映る月を見て歌を詠んだと伝えられる。鎌倉時代の武将が産湯に使ったとも言われ、日本三名井(三井)の一つとされる。現在は静かな場所にひっそりと佇み、歴史ロマンを感じさせるスポットとなっている。
【歴史】
月影の井は、千葉県印西市浦部にある古井戸で、鎌倉時代にこの地方で勢力を振るった豪族・大菅豊後守正氏が、産湯や行水の水を汲んだ井戸と伝わります。二本松の日影の井、鎌倉の星影の井と並んで「日本三井」に数えられ、昭和43年(1968年)に印西市の史跡(市指定記念物)に指定されました。平安時代の歌人・西行法師が水面に映る月を眺めて歌を詠んだという伝承も語られています。
【特徴】
月影の井の名は、井戸の水面に月の影がくっきりと映ったことに由来すると伝わり、日・月・星の名を持つ三名井の「月」を担っています。里山の斜面に石で囲われた小さな井戸で、派手な構えはありませんが、周囲を雑木林に囲まれた静かな環境が保たれています。江戸時代の地誌にも古井として記され、地元では枯れることのない霊水として大切に守られてきたとされます。
【見どころ】
月影の井は住宅地に隣接した丘の裾にひっそりと佇み、市が設置した案内板が由来を伝えています。井戸そのものは小さく、水面を覗き込むと今も清らかな水をたたえています。北総線の駅から離れた場所にあるため、車か自転車でのアクセスが現実的ですが、千葉県印西市の里山風景とあわせて三名井めぐりの一つとして訪ねる愛好家も多くいます。周辺には古い社寺も点在し、静かな散策に向いています。
【トリビア】
三名井の中でも月影の井は最も情報が少なく、「知る人ぞ知る」名井として親しまれています。印西市が指定文化財として保護しているものの、観光地化はされておらず、里の暮らしの中に溶け込んだ姿が魅力です。大菅豊後守正氏については記録が乏しく、伝承上の人物とみる向きもあります。月・日・星の三井がなぜ千葉・福島・神奈川に分かれて伝わるのかも謎で、各地の伝説が後世に結び付けられたと考えられています。




