【概要】
戸隠神社奥社は、戸隠山の切り立った岩壁を背にして山の中腹に鎮座する戸隠神社の御本社で、天の岩戸をこじ開けた力の神・天手力雄命を祀ります。参道は入口の大鳥居から約2キロ続き、中ほどの朱塗りの随神門から先は、樹齢約400年のクマスギが並ぶ長野県天然記念物の杉並木になります。冬は積雪のため参道の奥が閉ざされるのが例年で、その期間は年によって変わります。
【歴史】
戸隠神社奥社の創建は、社伝で孝元天皇五年、紀元前210年と伝えられます。849年には学問行者がこの山で修行し、のちの戸隠山顕光寺を開いたとされます。平安時代の後期に神仏習合が進むと、奥社は顕光寺の奥院として修験者の祈りの中心になりました。明治の神仏分離で寺院としての姿を改め、戸隠神社の奥社として現在に至っています。
【特徴】
戸隠神社奥社の祭神である天手力雄命は、天照大神が隠れた天の岩戸を力ずくで開いた神です。神話では、このとき投げ飛ばされた岩戸が信濃の地に落ちて戸隠山になったと語られ、山の名の由来とされています。社殿は屏風のように切り立つ戸隠山の岩壁のすぐ下にあり、五社のなかで最も高い場所から麓の四社を見守る御本社として崇められています。
【見どころ】
戸隠神社奥社の見どころは、約2キロに及ぶ参道そのものです。中ほどに建つ朱塗りで茅葺き屋根の随神門は、かつて仁王門と呼ばれた神仏習合時代の名残です。門をくぐると約500メートルにわたって、見上げるほどのクマスギの巨木が両側にそびえる杉並木が続き、長野県の天然記念物に指定されています。社殿までは片道40分ほどの上り坂です。
【トリビア】
戸隠神社奥社の杉並木は、江戸時代の初めに顕光寺が千石の朱印地を得たころ、参道を整えて植えられたものと伝えられます。随神門の茅葺き屋根には苔やシダが根づき、緑の屋根のように見えることもあります。奥社の脇からは戸隠山への登山道が延びていて、岩稜の難所として知られる蟻の塔渡りへ向かう登山者の出発点にもなっています。
