【概要】
戸隠神社宝光社は、五社のなかで最も麓に近い場所に鎮座し、中社の祭神の御子神にあたる天表春命を祀ります。杉木立のなかを270余段の石段が社殿までまっすぐ延び、上りきると神仏習合の面影を残す権現造りの社殿が現れます。女性や子どもの守り神として安産や子育ての祈願に訪れる人が多く、戸隠古道をたどる五社めぐりの起点としても親しまれています。
【歴史】
戸隠神社宝光社は、天暦三年にあたる949年に奥社の相殿として祀られたのが始まりとされ、康平元年にあたる1058年に現在の場所へ分けて祀られました。神仏習合の時代には宝光院と称し、奥院・中院と並ぶ戸隠山顕光寺の三院の一つとして栄えました。明治の神仏分離によって寺院としての役目を終え、宝光社と名を改めて今に至ります。
【特徴】
戸隠神社宝光社の祭神・天表春命は、知恵の神である天八意思兼命の御子で、開拓や学問、技芸、裁縫の神とされます。安産の神、女性や子どもの守り神としての信仰も厚く、家族連れの参拝が目立ちます。社殿は江戸時代後期の建築で、1861年の建立とする資料もあります。拝殿を飾る精緻な彫刻は、宮彫師が手がけたものと伝えられています。
【見どころ】
戸隠神社宝光社の見どころは、鳥居から社殿へまっすぐ上る270余段の石段です。両側から杉の古木が枝を差しかけ、苔むした段を一段ずつ踏みしめるうちに気持ちが静まっていきます。上りきって社殿の正面に立つと、反りのある屋根と軒下の彫刻が間近に迫ります。社殿の脇からは、火之御子社へ続く古道の神道が約800メートル延びています。
【トリビア】
戸隠神社宝光社の社殿は、現存する五社の社殿のなかで最も古いものとされ、幕末の職人の技を今に伝えています。門前には宿坊が軒を連ね、宿坊に泊まって朝の静かな境内に参る旅も親しまれています。宝光社は戸隠古道の起点として紹介されることが多く、ここから火之御子社、中社、奥社へと標高を上げながら五社を歩いて巡ることができます。
