【概要】
滋賀県大津市にある田上山(たなかみやま)は、古くから都の造営などのために木材が伐採され続け、江戸時代には完全なハゲ山となった。花崗岩質の地質が風化し、土砂が流出しやすい状態であったが、明治期以降、オランダ人技師ヨハネス・デ・レーケの指導などにより日本における近代砂防工事発祥の地の一つとして緑化が進められた。現在でも露出した奇岩が点在する独特の景観を残している。
【背景】
滋賀県南部、特に大津市の田上山(たなかみやま)周辺は、かつて日本有数のはげ山地帯として知られていました。古都・京都や奈良に近いことから、古くから寺社仏閣の建立や都の建設のために大量の木材が伐採されました。藤原京や平城京の造営時にもここから木が切り出されたと言われており、千年以上もの間、人々の生活のために犠牲となってきた山です。
【環境破壊】
過剰な森林伐採により、江戸時代には既に完全なはげ山となり、土砂が琵琶湖や瀬田川に流出して洪水を引き起こす原因となっていました。明治時代には「オランダ堰堤」などの砂防工事が行われ、緑化への挑戦が始まりました。長い年月をかけて、ようやく緑が戻りつつあります。
【教訓】
田上山は現在、砂防の歴史を学ぶフィールドミュージアムとして整備されています。人間活動が自然環境に与える影響の大きさを示す生きた教材であり、環境保全の重要性を伝えるシンボル的な場所となっています。これまでの先人たちの血のにじむような努力に思いを馳せながら、自然との共生のあり方を考えるきっかけを与えてくれる貴重な場所です。
📅 最終更新: 2026/1/27




