【概要】
和歌山県田辺市龍神村にある温泉です。日高川沿いの渓谷に位置し、役行者が見つけ、のちに弘法大師が難陀龍王のお告げで浴場を開いたと伝わる歴史ある古湯です。「美人の湯」として特に有名で、ナトリウム炭酸水素塩泉の泉質が肌をしっとりなめらかにすると評判です。江戸時代の藩主も湯治に訪れた記録が残っています。
【歴史】
龍神温泉は、和歌山県田辺市にある約1300年の歴史を誇る古湯です。役行者が湯けむりを見つけて開き、その百年ほどのちに弘法大師空海が難陀龍王のお告げを受けて浴場を整えたと伝わり、温泉の名もこの龍王に由来するとされています。江戸時代には紀州藩初代藩主の徳川頼宣がこの湯を愛し、藩費で御殿を建てさせ、廃藩に至るまで歴代藩主の湯治場として大切に守られ、上御殿と下御殿という名は今も宿に受け継がれています。
【特徴】
龍神温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩泉で、水素イオン濃度は7.8の弱アルカリ性、源泉温度は約48度、湧出量は毎分およそ103リットルにのぼります。無色透明でとろりとした肌ざわりが持ち味で、古い角質をやわらげて肌をなめらかに整えるとされ、島根県の湯の川温泉、群馬県の川中温泉とともに日本三大美人の湯に数えられてきました。湯上がりにはしっとりとした感触が長く残ります。
【見どころ】
温泉街は日高川沿いの深い渓谷に旅館が点在し、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉と四季の移ろいを間近に楽しめます。徳川頼宣が建てさせた上御殿は今も宿として営まれており、1999年に国の登録有形文化財となりました。源泉かけ流しの共同浴場である元湯もあり、高野山と龍神を結ぶ高野龍神スカイラインの道中に立ち寄る人も絶えません。近くのごまさんスカイタワーからは、紀伊山地の山並みを一望できます。
【トリビア】
龍神温泉と湯の川温泉、川中温泉の三つは1989年に日本三美人の湯として姉妹協定を結び、以来ともに名を高めてきました。龍神温泉は国民保養温泉地に指定され、日本百名湯にも数えられています。かつては熊野をめざす人々が立ち寄る山深い湯治場であり、今も山を越えて訪ねる道のりの遠さとともに、秘湯らしい静けさが色濃く残されています。日高川では夏に鮎釣りを楽しむ人の姿も見られます。
