【概要】
島根県出雲市にある温泉で、神話の国・出雲にふさわしい伝説を持ちます。大国主命を慕って旅をした八上比売(ヤガミヒメ)が、旅の疲れをこの湯で癒やし、一層美しくなったという伝承から「日本三大美人の湯」の一つに数えられるようになりました。静かな田園風景の中に佇む名湯です。
【歴史】
湯の川温泉は、島根県出雲市にある古湯で、出雲神話に深くゆかりのある温泉として知られています。因幡の八上姫が大国主命を慕って出雲へ向かう途中、この地の湯で長い旅の疲れを癒やし、いっそう美しくなったという伝承が残されています。開湯の正確な時期を示す記録は残っていませんが、温泉街には八上姫を祀る小さな祠が置かれ、湯の川温泉が美人の湯と呼ばれる由来として今日まで語り継がれてきました。
【特徴】
湯の川温泉の泉質はナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉で、源泉温度は約50度あります。保湿にすぐれたメタケイ酸やホウ酸を含み、入浴すると肌がしっとりとなめらかに整うといわれています。宿は六軒ほどという小さな温泉地ながら、源泉かけ流しの湯を守る宿が多く、静かな田園風景に囲まれ、人混みを離れてゆっくり湯あみを楽しめる点が魅力です。肌荒れや乾燥が気になる人にも親しまれています。
【見どころ】
湯の川温泉はJR山陰本線の荘原駅から歩いて10分ほど、出雲空港からも車で5分と交通の便がよく、出雲大社や宍道湖、松江城をめぐる山陰観光の拠点として使えます。旧暦10月の神在月には全国の神々が出雲に集うとされ、周辺一帯が神秘的な空気に包まれます。宿の多くは日帰り入浴も受け付けています。出雲そばやしじみを使った郷土料理も、湯めぐりとあわせた大きな楽しみとなっています。
【トリビア】
湯の川温泉は1989年に和歌山県の龍神温泉、群馬県の川中温泉と姉妹協定を結び、この三つを合わせて日本三美人の湯と呼ぶ言い方が広まりました。近くの出雲いりすの丘には日帰り入浴施設である斐川美人の湯があり、宿泊しなくても気軽にこの名湯を味わうことができます。八上姫の物語にちなみ、出雲大社の縁結び参りとあわせて訪れる人も多く、女性同士の旅先としても人気を集めています。
