【概要】
静岡県の大井川鐵道井川線にある、エメラルドグリーンの接岨湖(せっそこ)に突き出た半島状の場所に位置する駅です。湖上に浮かぶように見えるその姿は非常に幻想的で、赤いトロッコ列車が湖にかかる鉄橋を渡る風景は「クールジャパンアワード」等でも高く評価されています。
【歴史】
奥大井湖上駅は1990年、長島ダムの建設によって大井川鐵道井川線の一部区間が水没するのを避けるための新線への切り替えに合わせて開業しました。もともと山の尾根だった場所がダム湖である接岨湖の形成によって半島状に残り、その先端に、周囲を水に囲まれた不思議な立地の駅が誕生することになりました。秘境駅として広く知られるようになったのは、その景観が旅行者の口コミで広まってからのことです。
【特徴】
湖に突き出した半島の先端に、ホームと待合室だけが置かれた小さな駅で、湖面からの高さは約70メートルにも及びます。駅の前後にかかる赤い鉄橋「奥大井レインボーブリッジ」には遊歩道が併設されており、列車を降りて対岸まで歩いて渡ることができます。駅まで通じる道路はなく、列車かこの遊歩道でしか降り立てないのも特徴で、大自然と人工の造形物が見事に調和した風景が広がります。
【見どころ】
対岸の高台にある展望所からの眺めが特に有名で、湖に浮かぶように見える駅と赤いトロッコ列車のコントラストは絶好の撮影スポットとなっています。また、駅には「Happy Happy Bell(風の忘れもの)」と呼ばれる鐘があり、恋人たちのロマンチックなスポットとしても人気を集めています。新緑の季節や紅葉の頃など、季節ごとに湖の色と山の表情が移り変わります。
【トリビア】
この駅を含む路線には、日本で唯一のアプト式(歯車を使って急勾配を登る方式)の区間がアプトいちしろ駅と長島ダム駅の間にあり、珍しい鉄道の仕組みを体験できます。なお井川線は2026年7月から全列車が予約制の観光列車となり、大井川本線も川根温泉笹間渡駅と千頭駅の間が不通のため、訪ねる前に運行情報の確認が欠かせません。




