大谷崩

(おおやくずれ)
📍 静岡県 静岡市葵区⛰️ 名所🌿 自然

【概要】

静岡県静岡市葵区にある大規模な山体崩壊地。安倍川の源流部に位置し、標高2,000m付近からの激しい崩落により荒々しい景観を呈している。1707年の宝永地震との関連も指摘されるが、浸食作用は現在も進行中であり、その規模と崩壊の激しさから日本三大崩れの一つに数えられる。

【歴史】

静岡県の安倍川源流部、南アルプス深南部にそびえる大谷嶺の南斜面に広がる巨大な崩壊地が大谷崩です。1707年(宝永4年)に発生した宝永地震によって山体が一気に崩れ落ちたと伝えられ、推定でおよそ1億2000万立方メートルもの土砂が流出しました。崩れた土砂は5キロほど下流の赤水の滝付近まで一気に押し寄せ、川をせき止めて大きな池をつくったと記録に残されています。

【特徴】

大谷崩の崩壊面は幅も高さも数百メートル規模に達し、草木のほとんど生えない灰白色の岩肌が扇状に大きく広がっています。崩壊は宝永地震で終わったわけではなく、風化しやすい地質と急峻な地形のために今も少しずつ土砂が生産され続けており、安倍川は国内でも有数の土砂流出量を抱える川として知られます。荒々しく露出した地層は、日本列島の成り立ちを知るうえで貴重な研究対象でもあります。

【見どころ】

登山口から沢沿いの道をたどっていくと、崩壊地の末端にあたる「扇の要」と呼ばれる地点に出て、そこから見上げる斜面は圧倒的な迫力があります。さらに標高1850メートルほどの新窪乗越まで登れば、山肌を大きくえぐる大谷崩の全体像を眼下に見渡すことができます。稜線の先には標高1999メートルの大谷嶺が控え、空気の澄んだ晴れた日には遠く富士山を望むこともできます。

【トリビア】

大谷崩は、富山県の鳶山崩れ、長野県の稗田山崩れとともに「日本三大崩れ」の一つに数えられています。下流に広がる街を土砂災害から守るため、国による大規模な砂防事業が長年にわたって続けられており、谷筋にはいくつもの堰堤が階段状に築かれてきました。崩壊地の周辺は今も落石が絶えず、立ち入りが制限された危険な区域も残されているため、訪れる際には十分な注意が必要です。

📅 最終更新: 2026/9/6
大谷崩
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です