【概要】
長野県南牧村の野辺山高原は標高約1,375mの高地にあり、空気が澄んで乾燥しているため星が非常に鮮明に見える。国立天文台野辺山宇宙電波観測所の巨大な45m電波望遠鏡がある天文の聖地で、周囲は山に囲まれ市街地の光害が少ない絶好の星空観測スポットである。
【歴史】
野辺山高原と天文学の関わりは1969年に国立天文台野辺山宇宙電波観測所が設置されたことに始まる。標高1,350mの高地は大気中の水蒸気が少なく電波観測に最適で、1982年に完成した口径45mの電波望遠鏡は当時世界最大級であった。この観測所の存在が野辺山の「星の聖地」としての知名度を高め、天文ファンが全国から訪れるきっかけとなった。2011年に天文学者によって「日本三選星名所」に選出され、星空観光地としての地位が確立された。
【特徴】
野辺山高原は標高約1,375mという高地にあるため空気が非常に澄んでおり、肉眼で見える星の数は都市部の数十倍にもなる。八ヶ岳連峰に囲まれた盆地状の地形は周囲の光害を自然に遮り、天の川が肉眼ではっきりと見える日本屈指の暗さを誇る。冬季は空気が一段と乾燥して透明度が増し、オリオン座やふたご座などの冬の星座が驚くほど鮮明に輝く。夏には天の川が頭上を横切り、流星群の観測にも絶好のロケーションである。
【見どころ】
国立天文台野辺山は一般見学が可能で、巨大な45m電波望遠鏡を間近で見学できる貴重な施設。毎年夏に開催される特別公開日には研究者による講演や施設の内部公開もある。周辺のペンションや高原ホテルでは星空観察プランを用意しており、天体望遠鏡を使った観望会も人気。JR小海線の野辺山駅はJR最高地点の駅としても有名で、鉄道ファンにも人気のスポットである。八ヶ岳の登山と星空観察を組み合わせた旅が楽しめる。
【トリビア】
野辺山の45m電波望遠鏡は重さ約700トンもあり、わずか0.01mm単位の精度で動く精密機械である。野辺山高原はレタスの生産量日本一としても知られ、星空とレタス畑という意外な組み合わせの風景が広がる。JR小海線の野辺山駅は標高1,345.67mで、JR線で最も高い地点にある駅。冬季の最低気温はマイナス25度にも達するが、この厳しい寒さこそが極上の星空を生む条件となっている。天文台の周辺では携帯電話の電波も弱い。




