【概要】
京都府南丹市にある、豊かな自然と調和した茅葺き屋根の集落です。江戸時代から明治時代に建てられた39棟の家屋が立ち並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
【歴史】
京都府南丹市美山町に位置し、集落の中央を流れる清流・由良川と周辺の深い山々に囲まれた環境で、古くから林業や農業を主体とする生活が営まれてきました。現在集落に残る50棟の家屋のうち39棟が茅葺き屋根の民家で、その多くは江戸時代中期から末期(18世紀〜19世紀)にかけて建てられたものです。1993年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定・指定されました。
【特徴】
最も大きな特徴は、京都の山間部に見られる「北山型」と呼ばれる入母屋造りの美しい茅葺き屋根です。屋根の頂上部分(棟)には、スギの生皮や木材を用いた「千木(ちぎ)」や「雪割り」と呼ばれる独特の装飾が等間隔に施されており、意匠的な美しさと実用性を兼ね備えています。昔ながらの田園風景の中に、日本の伝統的な農家建築の粋を集めた美しい姿がそのまま保存されています。
【見どころ】
日本の原風景である里山の四季の移ろいを肌で感じることができます。春は桜やレンゲソウ、秋は周囲の山々が色づく紅葉、水墨画のような初冬の雪景色など、写真愛好家にも人気のスポットです。また、文化財を火災から守るために毎年春と秋の年2回実施される「一斉放水」は、集落全体が一気に水のカーテンに包まれる圧巻の光景で、この時期には多くの見物客で非常に賑わいます。
【トリビア】
この場所は単なる観光施設や展示用の野外博物館ではなく、歴史ある重要伝統的建造物群保存地区でありながら、現在でも住人の方々が実際に生活を営んでいる「生きた集落」です。そのため、観光地化されすぎていない、地域に根付いたありのままの静かな暮らしの風景や温もりを感じることができます。訪れる際は住人の方々のプライバシーと生活に配慮したマナーが求められる特別な場所です。




