【概要】
石川県羽咋郡志賀町にある海岸。「日本小貝三名所」の筆頭とされ、和歌村や由比ヶ浜と並ぶさくら貝の名所である。11月から3月にかけて、波打ち際には「三十六歌仙貝」と呼ばれる美しい貝殻が打ち寄せられる。海岸沿いには「世界一長いベンチ」もあり、夕日の美しいスポットとしても知られている。
【歴史】
石川県志賀町にある増穂浦は、能登半島の西岸に三キロから四キロほど続く弓なりの砂浜で、和歌の浦や由比ヶ浜と並ぶ日本小貝三名所の一つに数えられてきました。1777年に記された地誌『能登名跡志』にはすでに「歌仙貝」の名が見え、和歌に詠まれた三十六首になぞらえて、浜に打ち上げられる小さな貝を三十六歌仙貝と呼ぶ習わしが、江戸時代からこの地に受け継がれてきました。
【特徴】
増穂浦の浜が貝で埋め尽くされるのは、11月から3月にかけて日本海から吹きつける「貝寄せの風」の季節です。荒波に運ばれて打ち上がる貝はサクラガイやニシキガイ、ワスレガイ、マクラガイのほか、肉眼では見分けにくい微小貝まで含めて400種にもおよぶといわれています。なかでも淡い桜色に光るサクラガイは、幸せを運ぶ貝として古くから人々に愛され、歌にも詠まれてきました。
【見どころ】
海岸沿いには全長460.9メートルの「世界一長いベンチ」が延びています。1987年に地元の人々の手で造られ、1989年にはギネスブックにも掲載されました。日本海に沈む夕日を眺める特等席として人気を集めており、増穂浦を訪れるなら外すことのできない場所です。夏は海水浴場としてにぎわい、周辺には巌門をはじめとする能登金剛の奇岩が連なる景勝地も点在し、ドライブの途中にも立ち寄れます。
【トリビア】
貝を拾うなら、風の強かった日の翌日の干潮どきが狙い目とされ、波打ち際にできた貝の帯を腰をかがめて丹念に探すのがこつです。集めた三十六歌仙貝は、地元では貝細工やアクセサリーに仕立てられ、土産物として長く親しまれてきました。古くから貝は夫婦和合や縁結びのお守りとされ、めでたい席に贈られてきたことも、この浜が名所として語り継がれてきた理由の一つとされます。




