【概要】
小諸城は長野県小諸市にある平山城で、本丸が城下町より低い位置にあることから穴城と呼ばれます。1487年に大井光忠が築いた鍋蓋城が起源と伝わり、武田信玄の整備を経て、1590年に入った仙石秀久が近世城郭へ大改修しました。今は懐古園として野面積みの石垣が残り、仙石秀久が建てたとされる大手門と江戸中期に再建された三之門は国の重要文化財です。
【歴史】
小諸城は、1487年に大井光忠が築いた鍋蓋城を起源とすると伝わります。1543年頃に東信濃へ進出した武田信玄が城を整備し、その縄張りは山本勘助が手がけたと言い伝えられています。武田氏滅亡後は織田・徳川方の支配を経て、1590年に豊臣秀吉の家臣であった仙石秀久が入り、石垣や城門を備えた近世城郭へと大改修しました。以後は徳川氏や松平氏、牧野氏が城主を務め、小諸藩の政庁として明治を迎えています。
【特徴】
長野県小諸市にある平山城で、城下町よりも低い位置に本丸があるという全国的にも珍しい構造から「穴城」と呼ばれます。千曲川の浸食が刻んだ深い谷と断崖をそのまま天然の空堀として利用しており、大手側にあたる三の丸が最も高く、二の丸、本丸と段々に下っていく独特の縄張りをもちます。石垣は野面積みを基調とし、戦国から近世への移行期の築城技法をよく残しています。
【見どころ】
仙石秀久が1612年頃に建てたとされる大手門と、江戸中期に再建された三之門はいずれも国の重要文化財に指定されており、往時の風格を今に伝えています。城跡は明治以降に懐古園として整備され、樹齢を重ねたケヤキやカエデが古い石垣を包み込んでいます。本丸の奥にある水の手展望台からは千曲川の深い渓谷を見下ろせ、日本さくら名所100選に選ばれた春の桜や秋の紅葉も格別です。
【トリビア】
懐古園には、小諸義塾で教鞭を執った島崎藤村の「千曲川旅情の歌」の詩碑が建ち、園内の藤村記念館では直筆原稿をはじめとする貴重な資料を展示しています。城跡は国の史跡にも指定されており、小諸城は日本百名城では第28番に数えられます。大手門は明治以降に民間へ払い下げられた時期があり、平成の解体修理を経て創建当時の姿へ戻されました。
