【概要】
徳島県三好市祖谷山村にある、野生のシラクチカズラで編まれた吊り橋。日本三奇橋の一つ。平家落人が追っ手から逃れるために、いつでも切り落とせるように作ったという伝説が残る。歩くとギシギシと揺れ、足元の隙間から谷底が見えるスリル満点の橋である。国指定の重要有形民俗文化財。
【歴史】
祖谷のかずら橋は、徳島県三好市にある祖谷川の渓谷に架かる、シラクチカズラで編まれた吊り橋です。祖谷は平家の落人が隠れ住んだという伝承の残る土地で、追っ手が迫ればすぐに切り落とせるよう、あえて蔓で橋を架けたと語り継がれています。かつては祖谷川の各所に十本以上のかずら橋が架かっていたと伝わりますが、道路の整備とともに姿を消し、現在はこの橋などが残るのみとなりました。
【特徴】
橋の長さは約四十五メートル、幅は約二メートル、水面からの高さは約十四メートルで、山に自生するシラクチカズラの蔓を編み上げて造られています。踏み板は「さな木」と呼ばれる丸太を並べたもので、足元の隙間から谷底の流れが透けて見え、一歩進むごとに橋全体が大きく揺れます。安全のため内部はワイヤーで補強されていますが、外から見える部分は昔ながらの蔓に覆われています。
【見どころ】
渡橋には通行料が必要で、揺れる足場を一歩ずつ進むスリルこそが祖谷のかずら橋いちばんの見どころです。夏の夜にはライトアップが行われ、深い谷と蔓の橋が幻想的に浮かび上がります。橋のたもとには琵琶の滝が流れ落ち、周辺には平家屋敷民俗資料館や落合集落、大歩危・小歩危の渓谷美など見どころが点在し、JR大歩危駅からはバスの便もあります。
【トリビア】
祖谷のかずら橋は国の重要有形民俗文化財に指定されており、三年に一度、地元のかずら橋保勝会の手によって架け替えられています。使う蔓はおよそ六トンにのぼるといわれ、山から採取した蔓を編み直す作業はほとんど手仕事のまま受け継がれてきました。さらに山深い場所には男橋と女橋が並ぶ奥祖谷二重かずら橋も残り、こちらは当時の暮らしをより色濃く伝えています。




