【概要】
江戸三大祭りの一つ、神田祭で演奏される囃子です。軽快で歯切れの良いリズムが特徴で、「江戸の粋」を象徴する音楽です。大太鼓、締太鼓、篠笛、鉦(四助)の五人囃子編成が基本で、獅子舞やひょっとこ踊りの伴奏としても演奏されます。
【歴史】
神田囃子は、東京都千代田区の神田明神の祭礼・神田祭で奏でられる祭囃子で、江戸の祭囃子の代表格である。源流は江戸時代に葛西の香取神社の神主・能勢環が神楽の囃子をもとに創作したと伝わる葛西囃子で、当初は神田祭にも葛西の囃子方を招いていたが、やがて神田の氏子が技術を習得し、独自の神田囃子に発展したとされる。1927年に神田囃子保存会が組織され、1953年に東京都の無形民俗文化財の指定を受けた。
【特徴】
大太鼓1、締太鼓2、篠笛1、鉦1の「五人囃子」が基本編成で、鉦は「四助」とも呼ばれる。曲は打込に始まり、屋台・昇殿・鎌倉・四丁目を経て上がり屋台で締める組曲形式で、一通り演奏すると約15分になる。歯切れのよい締太鼓の速いリズムと、間をたっぷり取ったゆったりした曲想が交錯し、その軽快さは江戸っ子の気質を表すと評される。口伝で基本の型を覚えた後は奏者の個性を出してよいという自由さも神田囃子の特色である。
【楽しみ方】
神田祭の本祭は西暦奇数年の5月中旬に行われ、神幸祭の行列や神田明神境内の神楽殿で神田囃子の奉納演奏が披露される。神輿宮入の日には氏子各町の神輿が次々と境内へ入り、囃子の音が祭りの熱気を一段と高める。おかめやひょっとこの面をつけた踊りや獅子舞を伴うこともあり、耳だけでなく目でも楽しめる。神田明神では初心者向けの囃子講習会も開かれており、聴くだけでなく自ら鉦や太鼓を体験することもできる。
【トリビア】
神田囃子の醍醐味は、四丁目の中で奏者が即興的に打ち回す「玉」と呼ばれる部分にあるといわれる。四丁目という曲名は雅楽の「仕丁舞」に由来するとされる。江戸時代の神田祭は9月に行われ、神輿ではなく山車が中心の祭りだったが、明治25年(1892年)に台風などを避けて5月へ移り、現在の姿になった。茨城県にも「神田ばやし」の名で伝わる囃子があるなど、その影響は関東各地に及んでいる。




