伊雑宮御田植祭

(いざわのみやおたうえまつり)
📍 三重県 志摩市🎭 文化🏮

【概要】

伊雑宮御田植祭は、三重県志摩市の伊雑宮(伊勢神宮内宮の別宮)で行われる日本最大級の御田植神事。「磯部の御神田(おみた)」として知られ、平安時代からの歴史を持つ。泥塗れの男達による竹取り神事や、華やかな早乙女の田植え、舞楽が奉納される。

【歴史】

三重県志摩市にある伊勢神宮内宮の別宮・伊雑宮で、毎年6月24日に斎行される伊雑宮御田植祭は、「磯部の御神田」の名でも広く知られています。現在の形は平安時代末期に整ったという説が一般的で、明治4年(1871年)の神宮改革でいったん途絶えたものの、明治15年(1882年)に虫除けの祈願という名目で再興され、地元の人々の手で今日まで受け継がれてきました。

【特徴】

神社に隣接する実際の神田を用いて行われる点が伊雑宮御田植祭の大きな特徴で、太鼓や簓、大鼓、小鼓、笛、謡、早乙女、立人といった多くの役人が、それぞれ定められた所作を厳格に担います。地元の9つの奉仕区が7年に一度の順番で祭りを受け持つ仕組みが今も守られており、田楽の系譜を引く民俗芸能として、1990年3月29日には国の重要無形民俗文化財に指定されました。

【楽しみ方】

最大の見せ場は竹取神事です。神田の中央に立てられた、「太一」と記した大団扇つきの忌竹をめぐって、下帯姿の男衆が泥にまみれながら激しく奪い合います。この竹の一片を船に祀れば豊漁になると伝わっており、海に生きる人々の願いがそのまま形になった神事といえます。締めくくりには、唄いながら伊雑宮へ向かう約200メートルの踊り込みが、2時間ほどかけてゆっくりと行われます。

【トリビア】

神事に先立っては「七度半の使い」と呼ばれる古い作法があり、使者が何度も迎えに出向いて、役を担う者を請じ入れると伝わります。手間を惜しまず繰り返すこと自体が敬意の表現になっている点は、昔ながらの民俗行事の作法をよく残しています。竹取神事の勇壮さと早乙女たちの静かな所作が一つの祭りの中に同居する構成も、農と漁が隣り合う志摩ならではの姿といえるでしょう。

📅 最終更新: 2026/9/6
伊雑宮御田植祭
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です