【概要】
兵庫県高砂市の生石神社にご神体として祀られている、重さ約500トンにも及ぶ巨大な石造物です。岩山の中腹を削って作られており、底面が水に浸かっている構造からまるで「水に浮いている」ように見えるため、「浮石」とも呼ばれています。誰が、いつ、何のために作ったのか、未だに解明されていない日本最大級のオーパーツの一つです。
【歴史】
兵庫県高砂市にある生石神社(おうしこじんじゃ)の御神体が、この石の宝殿です。奈良時代の『播磨国風土記』にすでに「聖徳の王の御世に弓削の大連が作った石」という趣旨の記述が見えることから、少なくとも飛鳥時代かそれ以前の巨石文化の産物であると推測されています。古代の墓(石室)であったという説や、宗教的な祭祀施設であったという説がありますが、確固たる証拠は見つかっていません。
【特徴】
幅約6.4メートル、高さ約5.7メートル、奥行き約7.2メートル、推定重量500トンにおよぶ巨大な凝灰岩(竜山石)の塊で、背面には家の屋根のような突起状の加工が施されています。この石は底部の見えない部分で岩盤とつながっていると考えられていますが、周囲の窪みに溜まった水に姿を映すため浮遊しているかのような錯覚を与え、古くから「浮石(うきいし)」とも呼ばれてきました。
【見どころ】
やはり一番の見どころは、肉眼で見た時のその圧倒的な質量感と「本当に浮いているように見える」という不思議な空間設計です。巨石の周囲を歩いてぐるりと一周することができるため、ノミの跡など加工の痕跡や巨大なスケール感を様々な角度から間近で観察することができます。背後の山上に登れば播磨平野や瀬戸内海を見渡す眺望も広がります。
【トリビア】
実はこの巨石、かの有名なドイツ人の医師・博物学者であるシーボルトが文政9年(1826年)に訪れ、その不思議な形状に驚いて詳細なスケッチを残しています。そのスケッチは彼の著書『NIPPON』にも掲載され、ヨーロッパに日本の古代ミステリーとして紹介されました。平成26年には周辺の採石場跡とあわせ「石の宝殿及び竜山石採石遺跡」として国の史跡に指定されています。
