【概要】
東松山やきとりは、埼玉県東松山市のご当地グルメで、豚のカシラ肉(頭の頬肉)を使用し、辛味噌ダレ(みそだれ)をつけて食べるのが特徴です。戦後、養豚が盛んだった地域で発展し、現在では市内に約40店舗のやきとり店が軒を連ねる「やきとりの街」として知られています。
【歴史】
東松山やきとりの歴史は戦後の昭和20年代後半にさかのぼります。当時、東松山市周辺では養豚業が盛んで、豚肉の副産物であるカシラ肉(頭部の頬肉)を有効活用する方法として串焼きが考案されました。市内の「大松屋」の初代店主が、焼いたカシラ肉に唐辛子入りのみそだれを合わせたことから広まったと伝えられます。昭和37年には東松山焼鳥組合が発足し、東松山は「やきとりの街」として知られるようになりました。
【特徴】
東松山やきとりの最大の特徴は、豚のカシラ肉と辛味噌ダレの組み合わせです。カシラ肉は歯ごたえがありながらも脂身が程よく、噛むほどに旨味が広がります。炭火で丁寧に焼き上げた後、唐辛子を効かせた辛味噌ダレ(通称「みそだれ」)をたっぷりつけて食べます。このみそだれは白みそをベースに唐辛子やニンニク、ごま油、みりん、果物など10種類以上をブレンドしたもので、店ごとに配合が異なります。ビールとの相性は抜群で、一度食べると病みつきになる味です。
【見どころ】
東松山駅周辺には多くのやきとり店が集まっており、市が配布する「やきとりマップ」に載る店だけでも約40軒を数えます。毎年秋に開催される「日本スリーデーマーチ」の時期には、多くの参加者がやきとりを目当てに訪れます。20軒以上が加盟する東松山焼鳥組合が味と文化を守り続けています。埼玉県内だけでなく、東京からもアクセスしやすいため、週末のグルメ旅行先として人気です。
【トリビア】
東松山やきとりも室蘭やきとり同様「やきとり」と呼びながら鶏肉を使わない珍しいスタイルです。「全国やきとり連絡協議会」が挙げる「日本7大やきとりの街」の一つに数えられています。平成10年には市商工会青年部が「やきとり音頭」を作詞・作曲してCD化するなど、地域を挙げてやきとり文化を発信しています。ふるさと納税の返礼品としても人気があり、冷凍やきとりセットは全国から注文があります。
