【概要】
榛名山は群馬県の中央部に横たわる火山で、最高峰の掃部ヶ岳は標高1449メートルあります。山頂部のカルデラには榛名湖が水をたたえ、その隣に榛名富士と呼ばれる整った円錐形の溶岩ドームが並び立ちます。南西の麓には杉木立と巨岩に囲まれた榛名神社が鎮まり、上毛三山のひとつとして信仰と行楽の山であり続けてきました。
【歴史】
榛名山は六世紀に大きな噴火を繰り返し、火砕流が山麓の集落をのみ込みました。渋川市の金井東裏遺跡では、噴火に巻き込まれたとみられる甲を着た古墳人の人骨が見つかり、当時の被害の激しさを今に伝えています。この一連の噴火が榛名富士や二ツ岳をつくり、山上に湖と峰が並ぶ現在の姿は、そのときにおおよそ整えられました。
【特徴】
榛名山は単独の峰ではなく、掃部ヶ岳や烏帽子ヶ岳といった外輪山と、中央火口丘の榛名富士を含む山体の総称です。カルデラの底にある榛名湖は群馬県高崎市にある湖で、湖面の標高はおよそ1084メートル、周囲は約4.8キロあります。水をたたえた盆地の真ん中に富士形の峰が立つ構図は、上毛三山のなかでもとりわけ整って見えます。
【見どころ】
榛名湖の畔からは榛名富士の山頂までロープウェイが通じ、晴れた日には関東平野や上州の山々を広く見渡すことができます。湖では夏にボート遊び、冬にはワカサギ釣りが楽しめ、季節ごとに表情が入れ替わります。南西の麓に鎮まる榛名神社は、切り立つ岩壁に抱かれた参道と社殿が荘厳で、古くから雨乞いの霊験でも知られてきました。
【トリビア】
榛名湖は万葉集に伊香保の沼として詠まれた水辺と考えられ、古代から歌に取り上げられてきました。大正から昭和にかけては湖畔にテントが並ぶ避暑地としてにぎわい、その光景は上毛かるたの「登る榛名のキャンプ村」という札に残っています。東の麓には古い石段の街並みで知られる伊香保温泉が湧いており、山と湯を合わせて巡る旅が今も親しまれています。




