長生殿

(ちょうせいでん)
📍 石川県 金沢市🥢 名産🎭 文化

【概要】

石川県金沢市の「森八」が製造する銘菓。加賀藩三代藩主・前田利常公の命により、小堀遠州の指導を受けて創作されたと伝わる。日本三名山の一つでもある北陸の霊峰・白山の雪形を模した独特の形状や、紅色の「長生」と白の「殿」の文字が刻まれた格調高い落雁。

【歴史】

長生殿は、加賀藩三代藩主前田利常の求めに応じ、御用菓子司であった森下屋の三代目八左衛門が作り上げた落雁と伝わります。かたちは唐渡りの墨をかたどったもので、茶道遠州流の祖である小堀遠州が助言し、長生殿という名を与えたといわれています。その名は、唐の詩人白居易が長恨歌に詠んだ七月七日長生殿という一節に由来するとされ、七夕にちなむ菓子として作られたとも語られています。

【特徴】

長生殿は、森八に伝わる精粉と呼ばれる餅米の粉に、四国特産の純和三盆糖を合わせ、木型で押し固めて作られる干菓子です。紅白ひと組で供されるのが決まりで、表面には篆書によって長生殿の三文字が深く彫り込まれています。墨の形を写した端正な長方形は加賀百万石の風格をよく伝えており、使う材料が少ないだけに、粉と砂糖の質がそのまま味わいに表れる正直な菓子でもあります。

【食べ方】

長生殿は舌の上でゆっくりと溶け、和三盆特有のまろやかな甘みと軽やかな余韻を残します。濃茶にも薄茶にもよく合い、茶席では格の高い干菓子として重んじられてきました。小墨という一回り小さな型もあり、日常の一服にはこちらが扱いやすい大きさです。乾いた菓子ですので、湿気を避けて保存し、開封後はなるべく早めに味わうと、長生殿本来の香りと口どけを損なわずにすみます。

【トリビア】

長生殿を作る森八の前身である森下屋は1625年に金沢で創業し、以来四百年にわたって加賀藩の御用菓子司を務めてきた老舗です。長生殿には基本となる墨形のほかにも、渦や捻り梅、糸巻、扇、鶴といったさまざまな意匠が生み出されてきました。石川県金沢市の本店には菓子木型を集めた美術館が併設されており、兼六園や金沢城公園をめぐる旅の立ち寄り先としても長く親しまれてきました。

📅 最終更新: 2026/9/6
長生殿
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です