備後絣

(びんごかすり)
📍 中国広島県 福山市🥢 名産🎭 文化

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【概要】

備後絣は、広島県福山市新市町周辺で生産される綿織物です。江戸時代末期の嘉永6年(1853年)に富田久三郎が井桁模様を織り出したことが始まりとされています。藍染めに柿渋などを併用した渋みのある色合いや、ネップ(糸の節)を活かした素朴な質感が特徴です。昭和30年代には全国の絣生産の約7割を占めましたが、いまは織元がわずか2軒となり、「幻の絣」とも呼ばれています。

【歴史】

備後絣は江戸時代末期の嘉永6年(1853年)に、福山藩の富田久三郎が久留米絣などを参考にしつつ独自の工夫を凝らし、井桁模様の絣を織り上げたのが発祥とされています。福山周辺は綿花の栽培に非常に適した土地であったため、良質な綿糸を原料として急速に産業が発展しました。戦後の昭和30年代には年間生産量が300万反を超え、日本の木綿絣の全国シェアの約7割を占めるという空前の大ブームを巻き起こしました。

【特徴】

備後絣の魅力は、備後特有の風土から生まれる強くしなやかな綿糸と、職人の手仕事が生み出す温かみにあります。「ネップ」と呼ばれる糸の節(ふし)をあえて残すことで、布地の表面に独特の凹凸と空気の層ができ、ふんわりとした柔らかさと高い通気性を実現しています。また、深い藍染めに加えて、柿渋染めや墨染めなどの多様な染色技法が取り入れられており、他にはないヴィンテージ感あふれる絶妙な渋い色合いを表現しています。

【見どころ】

福山市新市町は備後絣の中心地であり、「しんいち歴史民俗博物館」では備後絣に関する機織り機や染色の道具、貴重な資料が展示されており、その歴史的な背景を深く学ぶことができます。2023年度には備後絣協同組合も解散し、いま織元はわずか2軒を残すのみとなりましたが、その伝統技術は備後地方が日本有数のデニム産地(備後デニム)へと発展する大きな礎となりました。シャトル織機が織りなす極上の風合いは、現代のデザイナーたちからも熱視線を浴びています。

【トリビア】

備後絣の大発展は、現在の福山市周辺に「カイハラ」や「篠原テキスタイル」といった世界的な高級デニム生地メーカーを生み出すDNAとなりました。ヴィンテージデニムに欠かせない「セルビッチ(赤耳)」を織り上げる旧式のシャトル織機や、ロープ染色と呼ばれる藍染めのノウハウは、すべてこの備後絣で培われたものです。日本の三大絣の一つは、形を変えて世界中の高級ジーンズの歴史を支える素晴らしい技術として現代に息づいているのです。

📅 最終更新: 2026/9/26
備後絣
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です