【概要】
西宮神社は、兵庫県西宮市にある神社で、全国に数多いえびす神社の総本社とされ「えびす宮総本社」を名乗ります。えびす大神を祀り、地元では親しみを込めて「えべっさん」と呼ばれます。朱塗りの表大門と長く続く大練塀は国の重要文化財で、例年1月の十日えびすでは、開門と同時に参道を駆け抜ける福男選びが広く報じられます。
【歴史】
古い言い伝えでは、和田岬の沖で漁師の網にかかった神像を祀ったことが西宮神社の起こりとされます。古くは広田神社とゆかりの深い社で、浜の南宮とも呼ばれました。えびす信仰が全国に広まるにつれて総本社として崇められ、西宮という地名もこの社に由来するといわれます。三連春日造の本殿は戦前に国宝でしたが、1945年の戦災で焼失し、1961年に往時の姿で復元されました。
【特徴】
本殿は三つの春日造の社殿を横につないだ三連春日造という珍しい形式で、第一殿にえびす大神、第二殿に天照大御神と大国主大神、第三殿に須佐之男大神を祀ります。境内の東に建つ表大門は朱塗りの姿から赤門と呼ばれ、1604年に豊臣秀頼が寄進したと伝わります。門の左右には大練塀が延び、本殿の背後にはえびすの森と呼ばれる深い社叢が広がっています。
【見どころ】
最大の見どころは、十日えびすの本えびすの朝に行われる開門神事福男選びです。夜明けに表大門が開くと、参拝者がおよそ230メートルの参道を本殿めざして一斉に駆け抜け、先に着いた三人が一番福から三番福に認定されます。ふだんの境内は落ち着いた雰囲気で、赤門をくぐって大練塀に沿って歩き、えびすの森の緑を眺めながら静かに参拝できます。
【トリビア】
神社の説明によると、開門と同時に本殿へ急ぐ走り詣りは江戸時代ごろから行われ、一番に着いた人をたたえて福男と呼ぶようになったのは昭和15年からとされます。また西宮には、えびす神の人形を操って各地を巡った傀儡師が暮らし、その芸は人形浄瑠璃の源流の一つと考えられています。十日えびすは例年1月上旬ですが、細かな日程は年によって変わることがあります。
