【概要】
今宮戎神社は、大阪府大阪市浪速区にある神社で、大阪の人々から「えべっさん」と呼ばれ、商売繁盛の神として親しまれています。聖徳太子が四天王寺を建てた際に西方の守りとして創建したと伝えられます。例年1月の十日戎には福笹を授かろうとする参拝者が境内を埋め、選ばれた福娘が笹に縁起物を結んで手渡す光景が浪速の新春を彩ります。
【歴史】
社伝によれば、推古天皇8年にあたる600年、聖徳太子が四天王寺を建立した際に西の守護として祀ったのが今宮戎神社の始まりとされます。かつては社の近くまで海が迫り、漁業の神として浜の市を守っていたと考えられています。戦国時代の末には豊臣秀頼が片桐且元を奉行に社殿を造営し、江戸時代に大坂が商都として栄えると、商売の神として厚い信仰を集めました。
【特徴】
祭神は天照皇大神、事代主命、素盞嗚尊、月読尊、稚日女尊の五柱で、なかでも事代主命がえびす様として崇められています。社殿は第二次世界大戦の空襲で焼失し、戦後に再建されました。難波や新世界に近いにぎやかな街なかに鎮座し、ふだんは近所の人が手を合わせる落ち着いた神社ですが、十日戎の時期には境内も周辺の道も特別な熱気に包まれます。
【見どころ】
十日戎の三日間は宵戎・本戎・残り戎と呼ばれ、境内では選ばれた福娘が福笹を授けます。参拝者は吉兆と呼ばれる小判や俵、鯛などの縁起物を好みで笹に付けてもらい、「商売繁盛で笹持って来い」の掛け声が響きます。本戎の日には、福娘や芸能人を乗せた宝恵駕の行列が難波の街を練り歩きます。日程は例年1月上旬ですが、年によって変わることがあります。
【トリビア】
今宮戎神社では、拝殿でお参りしたあと社殿の裏手に回り、そこに掛けられた銅鑼を打ってもう一度願い事を伝えるのが習わしとされます。福娘は毎年たくさんの応募者のなかから選ばれ、大阪の新春の顔として注目を集めます。すぐ隣にある南海高野線の今宮戎駅や、周辺の恵美須西・恵美須東という町名も、この神社にちなんだものといわれます。
