【概要】
日光山輪王寺は、日光山内に点在する本堂や堂塔、支院を総称する天台宗の寺院で、その中心が本堂の三仏堂です。奈良時代に勝道上人が開いた四本龍寺を起源とし、江戸時代には皇族が住職を務める格式の高い門跡寺院として重んじられました。三代将軍徳川家光の廟所である大猷院も輪王寺に属し、国宝や重要文化財に指定された建物を数多く抱えています。
【歴史】
日光山輪王寺の始まりは、766年に勝道上人が大谷川のほとりに建てた四本龍寺とされます。848年には慈覚大師円仁が訪れて三仏堂を開いたと伝わり、比叡山と同じ天台宗の寺として整えられました。江戸時代に天海が日光山の貫主となって東照宮の造営に関わり、1655年に後水尾上皇から輪王寺の名を賜ってからは、法親王が代々住職を務めました。
【特徴】
本堂の三仏堂は三代将軍家光の時代に建てられた大建築で、京都より東では最も高い木造建築として知られています。堂内には金色の千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の三体が並び、それぞれ男体山、女峰山、太郎山の神の本来の姿とされます。もとは二荒山神社のそばに建っていましたが、明治の神仏分離を受けて現在の場所へ移されました。
【見どころ】
輪王寺に属する大猷院は、家光の死後に四代将軍家綱が1653年に完成させた廟所です。祖父家康を祀る東照宮をしのがないよう、金と黒を基調に落ち着いた華やかさでまとめられ、本殿・相の間・拝殿は国宝に指定されています。仁王門、二天門、夜叉門、唐門と門をくぐるたびに石段を上り、最も奥の皇嘉門は中国風の竜宮造という独特の姿をしています。
【トリビア】
輪王寺には日光責めとも呼ばれる強飯式という珍しい儀式が伝わり、山伏姿の僧が山盛りのご飯を差し出して、無病息災や家内安全を祈ります。三仏堂の前に立つ金剛桜は国の天然記念物で、白い花と赤い若葉が一緒に開く山桜として春の名物です。宝物殿の奥には江戸時代に造られた池泉回遊式の庭園である逍遥園があり、秋は紅葉の名所になります。
