【概要】
宗像大社辺津宮は、福岡県宗像市にある九州本土の宮で、宗像三女神のうち市杵島姫神を祀ります。三宮を束ねる総社にあたり、全国に約6200社あるとされる宗像三女神を祀る神社の総本宮です。安土桃山時代に再建された本殿と拝殿は国の重要文化財で、境内には三女神が降り立ったと伝わる高宮祭場や、沖ノ島の国宝を収める神宝館があります。
【歴史】
宗像大社辺津宮の本殿は火災で失われたのち、宗像氏最後の大宮司となった宗像氏貞が1578年に再建しました。拝殿は1590年に筑前の領主となった小早川隆景が建てたもので、いずれも国の重要文化財に指定されています。宗像氏は古代からこの地を治め、三女神を奉じる大宮司として海の祭祀を担ってきました。2017年には世界遺産の構成資産のひとつに数えられています。
【特徴】
本殿は五間社流造で、杮葺の屋根がゆるやかな曲線を描き、安土桃山時代の特色をよく伝えています。その前に切妻妻入造の拝殿が立ち、二つの建物が一体となって本土の宮の中心をなしています。本殿の背後には、沖津宮の田心姫神を祀る第二宮と、中津宮の湍津姫神を祀る第三宮が並び、辺津宮を訪れるだけで三女神すべてに参拝できるように整えられています。
【見どころ】
本殿の右手から森の小道をたどると、三女神が天から降り立ったと伝わる高宮祭場に着きます。社殿を持たず、木々に囲まれた空間で神をまつる古い祭祀の姿を今に伝える場所です。境内の神宝館には沖ノ島で見つかった国宝の奉献品が収められ、三角縁神獣鏡や金製の指輪など、古代の航海と祈りを物語る品々を間近に見ることができます。
【トリビア】
宗像三女神は、日本書紀で海北道中に降りて天孫を助けるよう命じられた神々とされ、海の道を司る道主貴(みちぬしのむち)とも呼ばれます。秋季大祭の初日のみあれ祭では、大島から海を渡ってきた沖津宮と中津宮の神々を辺津宮に迎え、三女神が本土の宮にそろいます。本殿の背後に立つ第二宮と第三宮の社殿は、伊勢神宮から譲り受けたものです。
