【概要】
岐阜県東濃地方(多治見市、土岐市、瑞浪市など)で生産される焼き物です。国内の和食器生産量の約50%以上を占めるとされる、日本最大の陶磁器生産拠点として私たちの生活を支えています。
【歴史】
その歴史は非常に古く平安時代にまで遡ると言われていますが、特に室町時代から安土桃山時代にかけて、千利休をはじめとする当時の著名な茶人たちによる茶の湯の爆発的な大流行とともに大きく発展を遂げました。この時代に生み出された「美濃桃山陶」と呼ばれる斬新で独創的な自由な発想の茶器は、茶人たちから熱狂的な支持を集め、後世に残る名品が数多く作られ、現在での高い評価の礎となっています。
【特徴】
美濃焼には「これ」といった単一の決まったスタイルが無いのが最も大きな特徴と言えます。温かみのある白色が美しい「志野」、深い緑色の釉薬と斬新な幾何学模様が目を引く「織部」、淡い黄色の「黄瀬戸」など、実に15種類以上の伝統的工芸品に指定された多様な様式と高度な技法が存在し、多種多様な器を生み出しています。
【見どころ】
多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館やモザイクタイルミュージアム、土岐市のどんぶり会館など、美濃焼の深い歴史と現代アートとしての魅力の両方を存分に楽しめる充実した施設が多数存在します。工房見学やろくろを使った本格的な陶芸体験ができる親切な窯元も産地一帯のいたる所に点在しており、観光客を楽しませてくれます。
【トリビア】
現代において、日本の一般家庭の食卓で毎日のように使われている和食器のなんと約半数近くが、実はここ岐阜県で作られる美濃焼であると言われています。特定のスタイルや伝統の形に固執して縛られず、常に時代ごとの人々の生活様式やライフスタイルの絶え間ない変化に柔軟に合わせ、安価で良質で使いやすい食器を大量に生産する適応力こそが、美濃焼が日本一の和食器の一大産地として君臨し続けている最大の理由なのです。




