【概要】
南部梅林は和歌山県みなべ町にある梅林で、晩稲地区の丘陵に約8万本の梅が植えられた日本最大級の梅の名所です。「一目百万、香り十里」とうたわれ、海を望む斜面が白い花で埋め尽くされます。梅干しの代表品種として知られる南高梅が生まれた町にあり、みなべ町の梅の収穫量は全国の約4分の1を占めます。開園は例年1月下旬から3月上旬ごろです。
【歴史】
南部梅林のあるみなべ町一帯では、江戸時代に紀州藩の附家老であった安藤家が梅の栽培を奨励したことから、梅づくりが広がったと伝えられています。明治35年には上南部村の高田貞楠が育てた苗の中から優れた梅が見いだされ、のちに地元の調査で最優良とされたこの梅が、南部高校と高田の名をとって南高梅と名づけられました。昭和40年には種苗名称の登録が認められています。
【特徴】
南部梅林は観光のために造られた庭園ではなく、梅干し用の実をとる農家の畑が集まった梅林で、花の時期に限って見学のために開かれます。植えられている梅の多くは白い花の南高梅です。養分の乏しい崩れやすい斜面に梅畑を配し、薪炭林を残して崩落を防ぎ、林にすむニホンミツバチに受粉を助けてもらう仕組みは、2015年に「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産に認定されました。
【見どころ】
南部梅林には約4キロと約3キロの二つの散策コースがあり、坂道を歩きながら斜面いっぱいの梅を眺められます。車で園内をめぐることはできないので、歩きやすい靴で出かけるのがおすすめです。2024年には展望台「春告の丘」が設けられ、梅の花越しに町並みや海、山並みを見渡せるようになりました。見頃は例年2月中旬ごろですが、開園期間は花の具合で前後するため、事前に確かめておくと安心です。
【トリビア】
南部梅林は「一目百万、香り十里」という言葉でうたわれ、見渡すかぎりの梅の広がりと香りの豊かさをたとえたキャッチフレーズとして親しまれています。みなべ町は梅の収穫量が全国の約25%を占める日本一の産地とされ、町役場には「うめ課」という部署まで置かれています。新型コロナウイルスの影響で2021年と2022年は開園が見送られ、2023年に3年ぶりに開かれました。
