【概要】
馬籠宿は中山道43番目の宿場町で、木曽路の南の玄関口に位置します。急な山の尾根に沿った「坂のある宿場」として有名で、石畳の坂道沿いに水車小屋や茶屋が軒を連ねます。文豪・島崎藤村の出身地としても知られ、生家跡の「藤村記念館」が見どころの一つです。
【歴史】
馬籠宿は中山道六十九次の43番目の宿場として江戸時代に整備されました。木曽路の南端に位置し、美濃国と信濃国の境の要衝として多くの旅人が行き交う土地となっていました。明治28年と大正4年の大火で宿場の大部分が焼失しましたが、住民の努力で江戸時代の面影が復元されました。文豪・島崎藤村はこの地で生まれ育ち、代表作『夜明け前』では幕末の馬籠宿を舞台に木曽路の歴史を描いています。2005年に岐阜県中津川市へ編入されました。
【特徴】
馬籠宿の最大の特徴は急な山の尾根に沿って造られた石畳の坂道です。全長約600mの坂道の両側には格子造りの古い家並みが続き、水車小屋や用水路が風情を添えています。標高約600mの高台にあるため眺望にも恵まれ、展望台からは恵那山をはじめとする中央アルプスの山々が一望できます。木曽路の宿場町の中では最も観光整備が進んでおり、おやきや五平餅などの食べ歩きグルメも充実しています。季節ごとの自然の移ろいも美しく感じられます。
【見どころ】
島崎藤村の生家跡に建つ「藤村記念館」では、直筆原稿や書簡など貴重な資料を展示しています。坂の途中にある水車小屋は撮影スポットとして人気で、清流の音とともに江戸時代の風情を味わえます。馬籠宿から妻籠宿へは旧中山道のハイキングコースが整備されており、約8kmの道のりを3時間ほどで歩けます。途中の馬籠峠からの眺望は圧巻で、外国人観光客にも「サムライトレイル」として大人気の散策路となっています。
【トリビア】
馬籠宿はかつて木曽郡山口村(旧長野県)に属していましたが、2005年の越県合併により岐阜県中津川市となりました。これにより「木曽路」の宿場町でありながら岐阜県に所在するというユニークな状況が生まれています。島崎藤村の『夜明け前』の冒頭「木曽路はすべて山の中である」は日本文学を代表する書き出しとして有名です。馬籠から妻籠へのハイキングは世界的に知られ、ミシュラン・グリーンガイドでも高評価を受けました。
