【概要】
黒部峡谷は富山県黒部市にある日本有数のV字型大峡谷で、中部山岳国立公園の一部です。北アルプスの隆起と黒部川の浸食により形成された断崖絶壁と清流は世界に誇る絶景。宇奈月温泉から欅平まで運行するトロッコ電車からの眺望は圧巻で、四季折々の自然美を楽しめます。
【歴史】
黒部峡谷は、北アルプスの隆起と黒部川による激しい浸食によって、数百万年をかけて刻まれた壮大な峡谷です。大正時代に黒部川の電源開発が始まると資材を運ぶための軌道が敷かれ、1926年に宇奈月と猫又の間が開通しました。1937年には終点の欅平まで延び、長く便乗扱いだった一般客の乗車も、1953年には正式な鉄道営業として認められています。今では富山県を代表する観光地の一つに数えられます。
【特徴】
谷底から峰までの高低差が1000メートルを超えるV字谷は、日本でも有数の深さを誇ります。両岸には切り立った断崖がそびえ、谷底にはエメラルドグリーンの黒部川が流れています。トロッコ電車は全長20.1キロメートルの区間を、41のトンネルと22の橋梁を渡りながら進んでいきます。最高速度は時速25キロメートルに抑えられているため、後曳橋や奥鐘橋といった絶景をゆっくり味わうことができます。
【見どころ】
終点の欅平駅では、人喰岩と呼ばれる奇岩や、奥鐘山を望む展望台が人気を集めています。途中下車できる鐘釣駅では、河原を掘ると湧き出す温泉で足湯を楽しむこともできます。紅葉が色づく10月下旬から11月上旬はとりわけ美しく、赤や黄に染まった峡谷の眺めは息をのむほどです。2024年の能登半島地震で被災した路線は猫又駅での折り返し運行が続いてきましたが、全線での運行再開は2026年10月1日です。
【トリビア】
トロッコ電車はもともと、黒部川の電源開発で発電所を建設するために敷かれた資材運搬用の軌道で、いわば動く産業遺産といえる存在です。急勾配と急カーブが連なる険しい路線のため、速度は低く抑えられています。窓のないオープン型の車両なら、風を直接受けながら大自然の中を走り抜ける体験ができます。全線再開後もしばらくは欅平で立ち入れる範囲が限られるため、事前の確認をおすすめします。




