【概要】
金剛輪寺は滋賀県愛荘町にある天台宗の寺で、松峯山と号し、本尊は聖観音菩薩です。天平13年(741年)に聖武天皇の勅願を受けて行基が開いたと伝えられます。国宝の本堂「大悲閣」、長い石段の参道に並ぶ千体地蔵、国の名勝に指定された明寿院庭園があり、晩秋に境内を真っ赤に染める紅葉は「血染めのもみじ」と呼ばれています。湖東三山では真ん中に位置する寺です。
【歴史】
金剛輪寺は、天平13年(741年)に聖武天皇の勅願を受けた行基が開いたと伝えられます。平安時代には比叡山から慈覚大師が訪れて天台密教の道場となり、延暦寺の末寺として栄えました。戦国時代には織田信長の兵火に見舞われましたが、本堂や三重塔、二天門は焼失を免れています。中心の堂宇が総門から長い石段を上った奥にあり、見落とされたためとする説があります。
【特徴】
本堂は大悲閣と呼ばれ、入母屋造、檜皮葺の七間四方の大きな仏堂で、国宝に指定されています。須弥壇の金具には鎌倉時代の弘安11年(1288年)の銘が残り、元寇の戦勝を記念して近江守護の佐々木頼綱が再興したと伝えられます。現在の建物は南北朝時代から室町時代の初めにかけて建てられたとみられ、中世の天台仏堂を代表する建築のひとつです。
【見どころ】
総門から本堂へ続く石段の参道には、小さな地蔵が1900体を超えて並び、千体地蔵と呼ばれています。寺と縁を結んだ全国の人々が、さまざまな願いを込めて奉納してきたものです。本坊の明寿院庭園は桃山時代から江戸時代にかけてつくられた南庭・東庭・北庭の三つの庭からなり、国の名勝に指定されています。池に張り出すように建つ茶室の水雲閣も見られます。
【トリビア】
本尊の聖観音は、行基が一刀ごとに三度礼拝しながら彫り進めたところ、木肌から一筋の血が流れたため、魂が宿ったとして粗彫りのまま祀られたと伝えられます。生身の観音と呼ばれるこの逸話にちなみ、境内の真紅の紅葉は血染めのもみじと呼ばれてきました。見頃は例年11月中旬から下旬です。幕末の慶応4年(1868年)には、この寺で赤報隊が結成されました。
