【概要】
弘前ねぷたまつりは、青森県弘前市にある城下町の通りを、例年8月上旬の7日間にわたって大小約80台のねぷたが練り歩く夏祭りです。扇形の扇ねぷたと人形型の組ねぷたがあり、三国志や水滸伝に取材した武者絵が灯りに浮かび上がります。ヤーヤドーの掛け声と笛太鼓の囃子が夜の街に響き、1980年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
【歴史】
弘前ねぷたまつりの起源には諸説ありますが、夏の農作業を妨げる眠気を灯籠に託して川へ流した眠り流しの行事が有力とされます。ねぷたという呼び名も、ねむた流しがなまったものといわれます。記録に初めて現れるのは享保7年(1722年)の藩の御国日記で、五代藩主の津軽信寿が紺屋町の織座でねぷたを見物したと記されています。1980年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
【特徴】
弘前のねぷたを象徴するのは、扇を広げたような形の扇ねぷたです。正面には三国志や水滸伝の英雄が戦う勇ましい鏡絵、背面には見送り絵と呼ばれる静かで幽玄な絵が描かれ、前後の対比が見どころとされます。人形を立体に組み上げた組ねぷたも運行され、台数は大小合わせて約80台と県内最多の規模です。絵を手がけるねぷた絵師の多くが本職を別に持つことも、町の祭りらしさを伝えています。
【楽しみ方】
運行は例年8月上旬に始まり、前半は土手町コース、後半は弘前駅前コースと会場を移しながら夜の合同運行が続きます。町名を記した前灯籠を先頭に、子どもが曳く小さなねぷた、金魚ねぷたを手にした行列、大型ねぷた、太鼓と笛の囃子と続く隊列を沿道から眺めるのが基本です。最終日は昼間の運行となり、なぬか日と呼ばれます。日程やコースは年によって変わるので事前に確かめると安心です。
【トリビア】
青森市ではねぶた、弘前市ではねぷたと呼ぶように、同じ津軽の灯籠祭りでも呼び名が一字違います。運行で響くヤーヤドーという掛け声は、かつてねぷた同士がぶつかり合った喧嘩ねぷたの名残といわれます。扇ねぷたが主流になったのは、人形型の組ねぷたに比べて制作の手間や費用を抑えられたためと説明されています。市内には一年を通じて大型のねぷたを展示する施設もあります。
